山陽日日新聞社ロゴ 2012年7月10日(火)
尾道祇園祭
 三つ巴がリベンジ果たす
 久保小児童一つ巴子ども神輿で初参加  
子ども神輿と海中に沈められ浄められる神輿
 三体の神輿が神の幟の下に競い合う、尾道祇園
祭伝統の三体廻しが7日(土)夜、土堂渡し場で
勇壮に繰り広げられた。一週間前の前夜祭・三体
連合渡御に始まり、時宗常称寺での祇園会法要、
そして本番の三体廻しを以て、平成24年度の尾道
祇園祭は全ての行程を無事滞りなく終えた。

                [林 良司]
 夕刻、久保新開の八坂神社にて、三体の神輿に
御神霊(みたま)が遷され、いよいよ出発の時を
迎える。
 久保町の町印(紋)「一つ巴」を付した子ども
神輿が、久保小学校児童有志に担がれ先陣を切り、
続いて亀山八幡宮世話家・久保地区有志・尾道青
年会議所有志、尾道刑務支所みどりが丘FC有志、
尾道市消防局有志によって担がれる一つ巴、御袖
天満宮青年部有志・向東八幡神社青年部有志によ
って担がれる十四日町(長江)の二つ巴、一宮神
社総代・青年部有志によって担がれる土堂・御所
町の三つ巴と続いて出発。それぞれの町内を練っ
て渡し場へ集結した。
 三体のお披露目を前に、今年は久保地区一つ巴
子ども神輿が会場へ担ぎ入れられ、「ヨイヤサー
ノ、ヨイヤサー!」と大人に負けない掛け声を発
して幟を周回。可愛らしい神輿の登場に、観客か
らも大きな拍手・声援が送られていた。
 尾道ベッチャー太鼓女子メンバーによる華麗な
る太鼓の音が三体廻しの幕開けを告げ、会場は一
層の高揚感に包まれた。
 尾道三体みこし保存会の城間和行会長が挨拶に
立ち、「前夜祭、常称寺での祇園会、そして今宵
の三体廻しと、″原点回帰″を掲げた尾道祇園祭
再活性化の取り組みは、着実な前進・成果を見せ
ている。江戸時代以来、尾道三町の町衆によって
支えられて来た尾道最大級の祭りを、現代の我々
の手で更に盛り立て、大きなものにして行きたい」
と力強く語った。
 三体を横並びの状態で担ぎ披露する「三体揃い
踏み」の勇姿に続いて、幟ヘー番着けする権利を
競うタイム・トライアルが行われ、結果、一番着
けは三つ巴で3秒84、二番着けが二つ巴の3秒91、
三番着けが一つ巴で4秒38だった。
 昨年、三つ巴連覇の牙城が崩され、リベンジに
燃えていた三つ巴が再び王者に返り咲いた。
 負け続けの一つ巴も今年は例年に無く速いもの
があった。
 三つ巴から順に幟に着けられ、三体揃って幟を
周回する伝統の三体廻しで、祭は最高潮に達した。
 三体廻し後、勝者の三つ巴が海へ向かい、復活
3年目の「神輿洗い」(海中で神輿を廻して清め
る伝統の慣習で江戸時代より続く)を見せつけた。
 主催者側では何事においても安全第一優先とは
しているが、これが無ければ祇園さんではないと
いう声も根強くあり、筆者も″原点回帰″への真
骨頂であると思う次第(出来れば三体共にぶち投
げたいところ)。
 海から上がった三つ巴は、再び幟に着けられ、
勝ち鬨の気勢を上げるかのように廻され、華々し
い最後が飾られた。
【写真】=(上)..元気よく神社から繰り出す久
保地区の一つ巴子ども神輿、(下)..伝統の「神
輿洗い」で有終の美が飾られる。



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