山陽日日新聞社ロゴ 2012年1月28日(土)
近年、出店が目立つ中華料理店
 最後は満を持してこのお店
店主桑田さんと渡部さん。日替わり料理の例・ホルモンの甘味噌炒め
 「尾道の人は本当にいいですね。こんな料理人
は滅多にいるもんじゃないです」エフエム広島な
どでパーソナリティをつとめる南田洋さんが絶賛
する桑田朋典さん(35)。京都・蹴上の都ホテルに
7年、広島のリーガロイヤルホテルでもさらに腕
を磨き、その後、店長をつとめた並木通り近くの
「家座冨(かざふ)」で南田さんとも出会う。
「中華のニューウェーブ」と、ついでに南田さん
の言葉を拝借。そのように言われるることについ
て聞いてみると、「そうですかね?今まで勉強し
てきた料理を作っているだけ、意外に中華も幅広
いですよ」と事もなげに桑田さんは話す。
 JR尾道駅西側ビル2階に店を構えるチャイナ
バー「月天心」、オープンしたのは09年の4月。
お客さんと一緒に楽しむことが出来るお店にした
かったと話す通り、客席からも桑田さんが腕を振
るう様子を見ることが出来る。一見したところ、
修行僧、真剣な眼差しは相当気難しそうに感じる
が、笑顔がとてもチャーミング。手の空いた時に
は4〜5席用意されたカウンターに座る常連客と、
ビール片手に談笑する。
 四川料理に属するらしい、パンチの効いた辛み
が心地よく身体を刺激する。全ての料理が辛いわ
けではなく、丁寧にとった野菜スープやこれが中
華?と思える「トマトと卵ふんわり炒め」などバ
リエーションは豊富。修行した都ホテルでの経験
から、その町の風土、客の好みも考えながら試行
錯誤、油っぽくなくあっさりとした感じを心掛け
ている。
 酢豚、麻婆豆腐、八宝菜がやはりここでも人気
のようだが、当日に決めるおすすめメニューも捨
てがたい、ちょっと一杯の酒の肴からガッツリと
味わいたい人まで顧客も幅広い。その日手に入る
食材、地元の旬の魚も積極的に活かす、盛りつけ
もシンプルだが、どこかしらセンスの良さを感じ
る。
 入店してすぐに気付くのが、紹興酒の品揃え。
3年もののリーズナブルなものから15年ものの少
々値の張るものまで、他に生ビールもショットバ
ー顔負けの味わい。辛さの利いた料理とビールの
コラボに嵌る常連客も多いだろう。
 桑田さんが調理する傍らで接客するのが渡部真
紀さん。なんでも「家座冨」以来のコンビだそう
で、注文に迷うとみると、いつの間にやら傍に現
れ的確なアドバイス。シェフの作る料理との競演
は見事で、この店のウリのひとつ。広島時代の馴
染み客がわざわざ来店するほど、南田さん以外に
もファンは多い。尾道水道を眺めながらカウンタ
ーで酔うもよし、仲間とワイワイやるもよし、都
会でも即通用しそうな雰囲気は駅前の一等地にピ
ッタリ。ニューウェーブと言うよりは、意外に硬
派とお見受けする。ちなみに、締めの杏仁豆腐は、
まったり系。
 ランチタイムは麻婆丼など800円から、プラ
ス350円でデザート・飲み物がつく。夜のメニ
ュー単価は、700円から1000円程度。生ビール
は550円、紹興酒は600円から。3000円から
予約コース料理もある。
 月天心は、月曜日定休。問い合わせは、
0848-23-8878。

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