山陽日日新聞社ロゴ 2011年8月21日(日)
今でも静かな暮らし残る
 山道狭くこれが国道184号線!?
  「ハートフルロードしまね」
狭い山道に国道の表示
◎..尾道からずっと北へ辿って行くと−。
◎..例えば四国山脈の奥深くに分け入ると、国が
造って管理する道、つまり「国道」ではあるが、
「それは名ばかり」と言うべきルートがある。
◎..徳島市から山脈の尾根伝いに四国を東西に横
断、高知県四万十市に至る全長342kmの439
号線。また高知市から西へ檮原−八幡浜−佐多岬
半島、豊予海峡を渡り最終的には大分市に至る1
97号線など。
◎..いずれも大半が山間地域を走り、中央線など
もなく林道を想像させる、離合さえ難しい狭道が
何十kmも続くことで知られる。2輪のライダーな
どには439号は「与作」(よさく)、197号
は「行くな!」(狭すぎるから)という愛称で呼
ばれるほど。
◎..しかしこういう道を進んで行くと、自然とと
もに生きる山里の暮らしの美しい風景に出合うこ
とが出来る。
◎..中国山地にも「狭い国道」がある。出雲市を
起点に尾道の祇園橋を終点とする国道184号線
(205km、1953年制定)の島根県側の一部区間。
◎..石見銀山から積み出し港の尾道に銀が運ぱれ
た歴史の街道であるが、三次から県境の赤名峠、
飯南町までは広島市からの54号線と重複する。そ
してさらに北部の旧赤来町野萱〜旧頓原町八神ま
での10kmほどがその「名ばかり国道」。
◎..途中には天井高がない隨道もあり「大型車は
通行不可能」、「落石の恐れ」の看板も目立つ。
尾道では184号は幹線道で、交通量の多さと沿
線の賑わいからすれば、同じルートとは思えない
道の幅であり、まるで御調町や原田町などの山道
のよう(=写真)。
◎..標識には「ハートフルロードしまね」とある。
三瓶山や石見銀山へは迂回する形の県道に役目を
譲り、通る車も少ないが、今でも沿線には静かな
里の暮らしが残っている。
                  [幾野伝]



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