山陽日日新聞社ロゴ 2011年7月26日(火)
伝統の水細工
舞台はベテランと若手、久保小児童の競演
 水尾町の水祭り賑やかに
  今からもう来年の祭りに期待膨らむ
神話や名所を題材にしたジオラマ
 伝統の水細工が夏の風情を醸し出す水尾町の熊
野神社(通称・熊野権現)の例祭・水祭りが23日
(土)夜開かれ、家族連れを中心に多くの人出で
賑わい、勢いよく飛び出す水に、しばしの涼感を
得ていた。
 午後5時より、熊野神社の御神前で祭礼の本体
部分(核)である神事が営まれ、水尾町内会の地
域住民と水祭りを守る会の若手有志が参列し、町
内の平安と、今年も祭礼が無事営まれる恥に感謝
の祈りが捧げられた。
 祭礼に華を添える伝統の水細工舞台は7つが並
び、メインとなる水尾井(熊野神社下の井戸)の上
は一昨年の「天の岩屋戸」、昨年の「ヤマタノオ
ロチ」に続く神話シリーズ第3弾で、「因幡でな
く尾道の白兎」と題し、サメを騙して尾道水道を
渡った白兎、怒ったサメに身包み剥がされ、シク
シク泣いているところを心優しい大国主命に助け
られるシーンが、尾道の情景において展開されて
いた(=写真上)。
 若手組の制作になる今一つの舞台は「尾道鉄道」
を題材に、夕暮れの田園元気よくオノテツ水尾線
に見立てられた水尾小路を駆け回っていた。
 ベテラン親父さんチームは、東北ヘエールを送
る舞台として、細部まで手の込んだ力作「中尊寺
金色堂」と、東北地方の代表的な祭りを紹介する
「東北のまつり」、政治風刺では「延命地蔵」が
お目見えした。
 毎年水祭りへ参加している久保小学校からは、
2年生児童が可愛らしい「森のどうぶつうんどう
会」を出品。
 名物くずきりを始めとする種々の出店・グッズ
の中で、今年初登場となる水祭り特製手ぬぐいも
好評だった。
 水祭りを守る会会長の今川智弘さんは、「細か
い部分で新たな改善点も見つかり、それをまた来
年に向けて一つずつクリアして行くことで、更に
良い祭り、良い舞台になるよう、メンバーと一致
協力して努めて行きたいと思います。今からもう
来年の水祭りに期待が膨らむ..そんな祭りの後を
感じています」と、祭りを終えての心地良い感想
を語っていた。



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