山陽日日新聞社ロゴ 2011年7月20日(水)
夏の風物詩
 盛大に津部田「住吉祭り」
  夜空を染める3隻の管絃船提灯
管絃船を担ぐ人々
 向島町、津部田伝統保存会(船橋伸二会長)の
「住吉祭り」が17日夜開かれ、市内外から1500人
の見物客が訪れ、向島町を代表する夏の風物詩を
楽しんだ。
 午後7時から津部田コミユニテイ広場で半田元
輝大組長らが列席して亀森八幡神社、吉原典孝宮
司が男、女、子どもの3隻の管弦船の巡幸の安全
を祈願した。
 青森のねぶた祭りを彷彿させる「チャンギリ」
のお囃子にのって大提灯、ほうづき提灯100が
取り付けられた重さ250kgの管弦船を「ワッシ
ョイ、ワッショイ」と掛け声勇ましく担ぎ上げ、
350m先の五烏(ごがらす)神社まで練り歩い
た。
 巡幸の道すがら、夜空を染めた管弦船の大小の
提灯が幻想的にゆらめき、観客を魅了していた。
 五烏神社で3隻の管弦船が勢揃いし、奉納した。
神社境内の特設ステージでは小中高大学生が練習
を積んできた鉦、太鼓、笛による「戻り太鼓」の
勇壮で熱気あふれる演奏がおこなわれると詰めか
けた観客から大きな拍手と声援がおくられた。
 「戻り太鼓」のお囃子にのって3隻の管弦船が
再び担ぎ上げられ、勢いづくまま走り、止まって
は船体を左右に船体を大きく揺らし、船上のほう
づき提灯が地上に着くまで押し倒すと観客から
「きゃあ」という黄色い声と大きなどよめきが起
き、祭りは最高潮に達した=写真=。
 住吉祭りは300年前、江戸時代の初期、海運
隆盛を祈願して始められた。当時、津部田は天然
の良港で五烏神社前まで海で安芸の宮島のように
管弦船を海に浮かべ巡幸していた。
 お囃子の「チャンギリ」や「戻り太鼓」は江戸
時代前期、北前船が物資とともに芸術文化も運ん
できたもので青森のねぶた祭り、秋田の竿灯のお
囃子によく似ている。江戸時代後期に塩田として
海が埋め立てられ、その後、管弦船は陸に上がっ
た。
 来年の「海フェスタ」のイベントの初陣を飾り、
今年も前段の東日本大震災復興支援イベントの冠
行事としておこなわれた。



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