山陽日日新聞社ロゴ 2011年4月3日(日)
海事都市尾道の魅力発信
海事都市尾道を3本立てで発信
 特別展、HPに副読本と
  副読本は市内の小中学校へ配布
 海事都市尾道推進協議会(事務局=尾道市産業
部商工課・中国運輸局海事振興部)では、「海事
都市尾道」を市民はもとより広く市内外に発信し、
より一層の海事思想の啓発・PRを図っていこう
と、特別展の開催、ホームページの開設、副読本
(冊子)の刊行と、3本立てからなる事業を展開
している。
 海事都市特別展は、本通りの尾道商業会議所記
念館を会場に開かれ、「現在から未来、海事都市
尾道の造船業の姿と将来に向けての技術の伝承」
をテーマに、尾道市に集積された海事産業の姿、
船ができるまでの工程を分かり易く紹介するコー
ナーに始まり、世界各国の発注元・発注先、日中
韓の建造能力の比較などを示した世界の造船産業
の概況データなど、造船・海事産業の今を一望出
来る。
 続いて「受け継がれる技術の伝承」として、高
度な職人の技が要求される「ぎょう鉄」加工(平
たい鋼板を曲げる加工技術で人の手によって行わ
れる)にスポットを当て、熱と冷却によって鋼板
が縮む原理・曲がる原理から、尾道造船協力によ
る作業風景写真などがパネルで紹介されている。
また、作業に用いられるバーナーと放水管に添え
られた本物と遜色ない鋼板も隠れた見所の一つで、
熱した部分にも細かい細工を施すなど、商工課職
員のアイディア光る力作。
 未来へ向けての最終コーナーにおいては、環境
や省エネ対策に対応した造船戦略として、内海造
船の自動車運搬船「ヴィーナス・スピリット」、
尾道造船の石油精製品運搬船「MAERSK 
MUROTSU」と2隻のエコシップを紹介して
いる。
 子供はもとより大人も感嘆の声を上げているの
が尾道造船より出品された大型のモデルシップ
(模型船)で、価格は何と300万円という逸品。
 会期は4月1日から8月3日まで、10時〜18時、
入館無料、木曜休館。
 海事都市尾道のホームページは3月29日に開設
されたばかりで、尾道市のホームページからリン
ク出来る。
 推進協議会の概要から事業報告、海事データベ
ース、海事産業の人材確保と育成を図る因島技術
センターの紹介、市内で行われる進水式情報など、
海事関連の多種多様な情報を収集出来るようにな
っている。
 子供向けには、海や船に関する情報をマンガや
写真を用いて学習する「君もマリン博士になろう」
といったコンテンツも用意されている。
 子ども達に海事都市尾道の過去、「歴史海事都
市尾道」へ誘うのが『尾道の海をめぐる歴史と文
化』と題して冊子(45頁)で、開港みなと尾道に
始まり中世の村上水軍、近世の北前船往来に島方
の海運・廻船、海事人物伝から近代の造船・渡船・
航路と、海と共に刻まれた尾道の歴史の一頁を、
フルカラーの写真や絵図などのビジュアル資料を
多用しながら平易にまとめている。
 発行元は推進協議会L商工課サイドながら、市
教委文化振興課が監修を務めるなど、セクション
を超えた連携が図られている。
 これを小中学校の副読本・教材に活用してもら
おうと、市内の全小中学校に配布されるほか、図
書館で閲覧する事が出来る。一般への配布はして
いないが、前述の海事都市尾道HP上でも公開さ
れている。
 担当した商工振興係専門員の半田敬二さんは、
「展示にネットに学校教育にと、多角的に海事都
市尾道の魅力を発信して行けれぱと思います。と
りわけ学校教育の部分では、これまでに尾道の歴
史を学ぶまとまった副読本が無かっただけに、範
囲が海事に限られるとはいえど、これだけでも意
義あるものになったのではないかと思います」と、
満足そうな表情を見せていた。

「海事都市尾道推進協議会」のホームページ



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