2009年12月8日(火)
NHK「お好みワイド」で
「尾道」を耕し続ける「尾道学研究会」を
 絵葉書収集からガラス乾板
  原板から最新技術で「昔の尾道」再現できる
駅前でのロケ風景
 文化が英語で「耕す」という意味のカルチャー
なら、ひたすら地道に尾道というまちを耕し続け
ている尾道学研究会(天野安治会長)の一大事業
になっている「尾道...セピア色の記憶」絵はがき
の収集が、原板の写真・ガラス乾板の発掘へとつ
ながっていったが、これを詳報する本紙報道がき
っかけとなり、NHK広島放送局では9日午後6
時10分からの「お好みワイドひろしま」で、尾道
学研究会のこの取り組みを特集することになった。
 本紙では、10月15日付けと30日付けの2回にわ
たって、尾道絵葉書の原板写真・ガラス乾板発掘
のニュースを報道している。
 NHK福山支局の金行朋彦記者が先週の2日と
3日の両日、来尾し天野会長をはじめ、ガラス乾
板を所蔵していた射場昭人さん(元盛文館書店)
らを取材した。初日の2日には、取材中に平山郁
夫画伯の訃報が飛び込み、収録を途中で取り止め
るというハプニングまであった。
 初日は、尾道商業会議所記念館議場に天野会長
を筆頭とする尾道絵葉書発掘プロジェクトチーム
が集まり、このほど現像作業を終えたガラス乾板
写真のスクリーン試写と、発掘チームの内で主体
を成す、松本達良副会長をリーダーとする尾道の
語り部達による検証作業の風景が収録された。
 印刷された絵葉書と異なり、原板写真の上、保
存状態が良好という事も手伝って、絵葉書の一部
を拡大すると「当時の市民の暮らしぶり」までが
細部に亘ってクッキリ、ハッキリと鮮明に浮かび
上がる出来映えに、皆感嘆の声を上げていた。
 なお、今回の試写・検証作業は初回の緊急招集
同様、あくまでも発掘チーム関係者のみの非公式
なものであるが、研究会事務局では、会員の有無
を問わず広く市民の皆さんに観て頂く機会を年明
けに用意しているといい、そちらを是非楽しみに
して下さいとしている。
 続いて収録は2日目に移り、セピア本の表紙に
もなった戦前の尾道駅舎の1枚(ガラス乾板の内
に現存)をクローズアップし、天野会長と今昔対
比(今春リリースされたコンパクト版)のメイン・
カメラマンを務めた研究会員の山中仁さんの2人
が、駅前歩道橋から駅舎の今昔へとアプローチし
ていった。山中さんにあっては今昔対比時の苦労
話や撮影秘話などを披露し、ここにおいてガラス
乾板から今昔対比版の取り組みの方へとスポット
が向けられた。
 この他、ガラス乾板の現像作業、天野会長への
インタビューなどが収録されていった。
 ガラス乾板へと至った尾道絵葉書発掘の取り組
みに着目したNHK広島の金行記者は、「大変面
白く、内容的にも価値のあるものなので、我々も
楽しんで取材をさせて頂きました。一連の取り組
みを報じ続けるサンニチを拝見し、サンニチさん
はつくづくいい仕事をされておられますね」と、
満足げな表情で感想を洩らしていた。
 また、来年の尾道学において台風の目になる、
【戦時下の尾道へ…長江回廊組に遺された大量の
戦時下の回覧板(広報・伝達資料)」(絵葉書ど
ころではない全国区の値打ちを秘める)も目にす
ると、「どうしてこんな大変なものが次から次へ
と出て来るんですか!?。恐るべし尾道..」と、驚
嘆に次ぐ驚嘆の様子だった。
 事務局では、「年初のセピア発表に始まり、早
いペースでの売れ行き、行政と市民の皆さんのご
支援(市民提案事業)を頂いて形となった今昔散
策版、東京及び広島市内での展示、そして原板写
真の発掘へと、今年の尾道学は、セピアに始まり
セピアに終わった感があります。今だに盛り上が
りが続いている事に正直驚いています」と話して
いる。
 今回取材・収録された模様は、9日(水)18時
10分〜19時の『お好みワイドひろしま』(NHK
総合)の特集コーナーで放送される。

■第1集は入手困難に…
 今回の大本に位置づけられる絵葉書発掘資料集
の第1弾『尾道...セピア色の記憶−絵葉書に見る
ありし日のオノミチー』は、事務局でも保存用し
かなく、書店にあっても既に入手が困難になって
いる(第2弾の今昔散策ガイドブック版はまだ十
分な在庫あり)。
 増刷の問い合わせが以前から寄せられている事
に対し、研究会では増刷の予定は今後もなく、売
り切れ御免にする事に変わりがないとし、次は第
2集ですとしている。



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