2009年10月2日(金)
 鞆訴訟判決で画期的「景観利益」認める
 公共事業の見直しを進める民主党政権がスター
トしたなか、福山市鞆の浦で、県と市が計画する
埋立て架橋をめぐり、住民が県知事を相手に埋立
て免許の差し止めを求めた「鞆の浦景観保全訴訟」
の判決公判が一日午前、広島地方裁判所で開かれ、
原告住民の訴えを全面的に認め、県に免許交付の
差し止めを言い渡した。
 良好な景観の恩恵を受ける住民側の「景観利益」
を認めた国内で初めてとなる画期的な判決で、裁
判長は「鞆の町は美しいだけでなく、歴史的文化
的な価値を有する。住民の景観利益は保護するに
値する」と県の事業推進の主張をことごとく不合
理であると言い退けた。
 原告団と弁護団は閉廷後に記者会見を開き、原
告団事務局長の松居秀子さんは「署名頂いた13万
人をはじめ全国からの支援があったからこそやっ
てこれた。これからは推進派・反対派なく、ゼロ
から町づくりをスタートさせたい」と安堵の表情
を見せた(詳報は後日)。
                 [幾野伝]



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