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2009年9月11日(金) 第二回「観月能」 『造形美と幽玄美』融合 10月7日西國寺で梅若玄祥氏と川口晃平さん |
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昨年に続いて第二回「尾道・西國寺観月能」が 来月七日(水)夜、西久保町、真言宗西國寺(麻 生章雄住職)の金堂(国重要文化財)を舞台に開 かれる。毎年五月中旬には、浄土寺阿弥陀堂(国 重要文化財)で「尾道薪能」が十八年に亘って続 けられており、秋の「観月能」も尾道の文化行事 の一つになっていきそうである。 日本藝術院会員で観世流シテ方能楽師の梅若玄 祥(六郎)さん、尾道出身の漫画家、かわぐちか いじさんの長男で梅若さんを師事するシテ方観世 流、川口晃平さんを招いての西國寺観月能は、同 実行委員会の主催で、NPO法人おのみちアート ・コミュニケーション(大崎義男理事長)が共催、 県教委や尾道市などが後援する。 第一幕の狂言「伯母ケ酒」は、NHK朝の連続 ドラマ「ちりとてちん」に出演し人気を博した茂 山宗彦さんがシテ役で昨年に続いて出演する。 能のクライマックスだけ、面を付けずに披露す る仕舞「善知鳥」(うとう)を梅若さんが演じる。 メイン舞台の能「敦盛」はシテの草刈男と平敦 盛役で川口さん、地頭役で師匠の梅若さんが登場 する。出家した元武将と、それに討たれ亡霊とな った敦盛との再会と心の交友を描いたストーリー。 共催する大崎理事長は「室町初期に建てられた 金堂の『造形の美』と、鎌倉後期から室町同期に 完成した能の『幽玄の美』の融合する様は、まさ に日本の美の究極。薪能が尾道に定着し春を彩っ ている。これに秋の観月能が実現することで、尾 道の芸術文化性を一段と際立たせ、歴史都市尾道 の決定的なイメージを創出できれば」と話してい る。 チケットは全席指定でS席1万円、A席8000円、 B席6000円。啓文社福屋ブックセンター、なかた 美術館などで販売中。問い合わせはtel 0848-37- 5317(ビサンゼセッション)へ。 =写真は昨年秋、西國寺公演を前にした梅若さん (右)と川口さん。 ◆梅若玄祥(五十六世梅若六郎)=観世流シテ方 能楽師、重要無形文化総合指定保持者。一九四八 年生まれ。現在人気、実力ともに第一人者として 活躍、定廃絶された能の復曲、新作能の上演も積 極的に携わり、様々な演出を試みるなど、古典芸 能としての能を支える。海外初の能面、装束の展 覧会を開き、ニューヨークやパリ、オランダ、ロ シアでも公演。今年から、徳川初期に活躍した梅 若家中興の祖・梅若九郎右衛門玄祥の名跡を復活 させ、二世梅若玄祥を襲名している。 ◆川口晃平=一九七六年生まれ。玄祥(六郎)に 師事し二〇〇一年に入門、内弟子として七年修業 し独立。昨年、父かわぐちかいじさんの古里尾道 での観月能で「船弁慶」を舞った。 [幾野伝] |