2009年7月26日(日)
氷の新進写真作家
モノクロ写真10枚で綴る物語
 オーラを感じる「土地」
  谷田梗歌写真展「尾道とおり道」
塀に挟まれた狭くゆるい階段 石垣にカタツムリ
 氷の写真で独自の世界を表現している新進作家、
谷田梗歌(たにだこうた)さん(32)の写真展
「尾道とおり道」が東久保町、ギャラリーカフェ
プチ・ポワンで開かれている。展示されている10
枚の写真は尾道の名所旧跡でない、日常生活に垣
間見られるさりげない風景ではあるが尾道の街を
彷彿させる本質をつかんだ作品で見応えがある。
8月15日まで。
 「いったい何人、このとおり道を抜けて いっ
たいどんな物語を紡いでいったのだろうか いつ
かどこかで出会おう この通り道」
 谷田さんは今年2月、尾道に足を踏み入れた時、
尾道という「土地そのもの」にオーラを感じたと
いう。文筆家や画家など多くの文化人に愛され、
様々な作品になった街のとおり道には幾多の物語
を紡いでいった文化人の存在があり、文化の名残
があり、鮮烈な印象に包まれ、創作意欲がかきた
てられたという。
 民家の塀に囲まれた石段=写真左=、神社へと
続く石畳み、志賀直哉が眺めたであろう坂の上か
らの向島風景、鉄道下のガードレールの向こうに
かいま見える風景、カタツムリがはいつくぱった
石垣=写真右=、家屋が密集し陽の当たらない昼
下がりの小路などモノクロ作品が尾道の特徴も上
手くとらえて、その本質を映し出している。
 10枚の白黒写真には人は一切、登場しない、そ
れでいながら、かすかに人の気配が感じられるよ
うに描かれ、その気配を辿るように誰かが追いか
け彷徨うかのような画面構成になっている。
 「とおり道を歩みながら幾多の物語を紡いだ先
人たちを思い、彼らと同じ創作の道を歩んでいき
たいという意欲が湧いてきました」(谷田さん)
と述べている。
 谷田さんは横浜市生まれ、日大大学院修了。氷
の写真で独自の世界を表現する新進の写真作家。
神奈川県美展美術奨学会賞、総合写真展参議院議
長賞、″世紀のダヴィンチを探せ!国際アートト
リエンナーレ″07年入選、来年には世界最大のア
ートイベントARTEXPO・NEWYORK」
に参加出展する。

場所は市立中央図書館斜め前



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