2009年7月18日(土)
歴史博物館で
不動明王形態など本土側と繋がりも
 「知られざる仏教美術」生口島編
木造薬師如来三尊像
 久保1丁目、おのみち歴史博物館で「知られざ
る尾道仏教美術−生口島編」が18日から、始まる。
しまなみ海道の開通10周年特別展で、9月6日ま
での会期中は無休。
 未指定の仏教文化財を中心に紹介する知られざ
るシリーズは、これまで浄土寺をはじめ西國寺、
常称寺、昨年の因島編に続く第5弾。
 瀬戸田町と因島の一部からなる生口島の名前は、
1191(建久2)年、後白河院法皇の荘園「生口北
荘」として歴史に登場。光明坊(御寺)が生口南
荘を寺領として寄進され繁栄を続けたのもこの時
期で、室町時代には仏通寺の別院として曹洞宗向
上寺が開かれ、1432(永享4)年には国宝の向上
寺三重塔が地元商人の寄進で建てられた。
 現在島内には18ヵ寺あり、今回はその中から4
ヵ寺と耕三寺博物館に協力を得て、あまり目にす
ることがない文化遺産を紹介する内容。
 豊田郡瀬戸田町時代に指定された市重要文化財
の臨済宗廣徳寺(福田)の「木造十一面観音菩薩
立像」(平安時代)、同じく市重文の曹洞宗宝福
院(宮原)の「木造薬師如来三尊像」(鎌倉時代)
=写真=をはじめ、浄土宗法然寺(瀬戸田)の
「十一面観音菩薩坐像」(室町時代)、真言宗光
明坊の「木造不動明王坐像」(江戸時代)、浄土
真宗耕三寺(瀬戸田)・同博物館の絹本著色軸
「塔曼荼羅図」(鎌倉時代)など20点ほどが展示
されている。
 「生口島には法然上人にまつわる言い伝えも多
くある。光明坊の不動明王像などは、時代こそ違
うが浄土寺のものとよく似ているなど、繋がりが
感じられる」という。
 市教委文化振興課では今後、御調と向島編をや
っていきたいと話している。入館料は一般200
円、中学生以下は無料。
                 【幾野伝】

場所はこちらの「お」



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