2009年5月29日(金)
永井さん夫婦
 山手中腹9年暮らす東土堂に
  古家改修し「ネコノテパン工場」
夫婦と店
 千光寺山南斜面の東土堂町に、手づくりパン
の店がオープンした。古い空き家を改修した若
い夫婦による小さなパン屋「ネコノテパンエ場」。
朝早くから焼きたてパンの香りを坂の町に届け
ている。            [幾野伝]

 新しくパン屋を開いたのは、永井真介さんと
智子さん夫妻(=写真上)。東土堂町、光明寺
境内の東側の坂道を50mほど登ったところに建
つ木造の古家(=写真下)を借りて3ヵ月ほど
掛けて自分達で改修、今月16日にオープンさせ
た。千光寺山南斜面では住宅・別荘地となった
大正期以降、初めてのパン屋になるという。
 作業場と陳列棚などを合わせてもわずか9平
方mの小さなパン屋で、隣家の石垣をそのまま
内装壁として生かしたデザインはいかにも自然
の流れに沿ったイメージ。内部に発酵機やガス
オーブンなどの製造設備を揃えて、取りあえず
スタートしたために、外観はまだこれから手直
ししていくという。
 北海道産の小麦を使って現在は食パン(250
円)、チョコパン(100円)、シナモンレー
ズンパン(100円)、ピザパン(200円)、
ビスコッテイ(3個100円)、スコーン
(100円)など8種類を作り、作業場のすぐ
横で販売する。
 向東町出身の永井さんは尾道を中心に活動し
ているミュージシャンで、最も尾道らしい風情
がある山の手に住みたいと、9年前から古家を
借りて東土堂町に暮らしてきた。智子さんは尾
道短期大学を卒業後に永井さんと結婚、茶房こ
もん(長江1丁目)に3年、らぽると(土堂2
丁目)に1年半、その後パン屋に1年半務めて
ノウハウを習得してきた。
 「もともとはパン屋と併設して喫茶店をやり
たかったんです」とその動機を話す智子さん。
夕方には翌日用の生地の仕込みに取り掛かり、
朝は3時頃からパンを成形して焼き始める。7
時(来月から8時)には店を開ける。オープン
を知った地元の人が立ち寄り、早くもリピータ
ーが現れるなど上々の滑り出しだが、手づくり
ゆえに数に限りがあるため、売り切れる日も多
くなっている。
 「駄菓子屋さんのように、子供でも一つだけ
買いに来れるような店にしたい」と智子さん。
これまでと変わらず音楽活動もやっていくとい
う真介さんは、「しぱらくは試行錯誤しながら
商品などを整えていきたい。市街地からも足を
運びたくなるような、楽しい特徴のあるパン屋
にしたい」と張り切っている。 火曜が定休日。



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