2009年1月29日(木)
2月7日から
 大林監督と南原さん舞台あいさつも
 年を越え好評 全国で上映続く
  尾道も新作《その日のまえに》を
 尾道出身の映画作家、大林宣彦監督(71)の最
新作《その日のまえに》の上映が全国の映画館で
続いている。尾道ではシネマ尾道で2月7日(土)
から公開、同11日(祝日)には監督と主演の南原
清隆さん(43)による舞台あいさつも行われるこ
とが決まった。尾道の常設館での上映は14年ぶり
となる。             [幾野伝]

 昨年11月1日、全国の大都市の映画館で封切ら
れた《その日のまえに》(配給・角川映画)は、
東京では新宿と有楽町がともに4週間の予定を8
週間に延ばして年末まで上映するなど、大林監督
の作品らしく口コミと新聞の紹介記事などでジワ
ジワとその好評さが広がっている。
 今年に入って隣の福山をはじめ秋田、新潟、静
岡、岐阜などで上映、さらに今後も長野、青森、
盛岡、山形、三重そして尾道などでの上映が決ま
っている。
 重松清さんの同名の連作短編小説が原作で、脚
本は市川森一さん、監督と南柱根さん(監督補)の
撮影台本をもとに昨年春、関東一円で撮影された。
 2人の息子を育てる健大(南原清隆)の妻とし子
(永作博美)が、突然の病で余命を宣告される。夫
婦と家族が「その日」=「逝く日」に向けて、残
り少ない日日を工夫しながら一所懸命に生きる姿
を軸に、さまざまな「生」と「死」の模様が行き
交う。アメリカンビスタサイズ、139分。
 昨年10月、シネマ尾道ではオープン当初から支
配人の河本清順さんが《その日のまえに》の上映
を希望。それを受けて、尾道大林宣彦映画アカデ
ミー(大田貞男代表、会員20人)が尾道での舞台あ
いさつを監督に依頼し、さらに監督の呼び掛けに
南原さんも参加を快諾して実現するもの。
 シネマ尾道(112席)での7日からの上映は、
舞台あいさつのある11日を除く13日までが10時、
12時40分、15時20分、18時40分の4回。14日から
20日までが13時05分、18時50分の2回になる。全
国共通の前売りチケット(1300円)は啓文社の各
店、甘味処ととあん、茶房こもんで販売中。
 11日は10時からの1回目の上映後と13時55分か
らの2回目の間、さらに16時35分からの3回目の
上映後と20時30分からの4回目の間で、大林監督
と南原さんによる舞台あいさつがある。
 舞台あいさつを見るための特別前売り券は2000
円(パンフレット付き)で全席指定、2回目と4
回目の入館者は、舞台あいさつが立ち見となる。
現在のところ1回目の上映分はすでに完売し、3
回目も82席が売れており、2、4回目にはまだ余
裕がある。11日券の販売と全ての問い合わせはシ
ネマ尾道(0848-24-8222)へ。
 大林監督の作品が尾道の映画館で上映されるの
は、1999年夏に旅客船「サウンズ・オブ・セト」
内に作られた特設シアターでの《あの、夏の日〜
とんでろじいちゃん》以来10年ぶり。常設館とし
ては旧尾道松竹で1995年9月に公開された《あし
た》以来14年ぶりとなる。
 今回の尾道での上映には、「たまがんぞう」や
「ベッチャーの胃ぶくろ」など、尾道と福山に居
酒屋を展開する(有)いっとく(山根浩揮社長)が
特別協賛している。



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