2009年1月28日(水)
治療と植替え
 計画的に1本1本際立たせる
  千光寺公園の『桜』保存事業進む
ソメイヨシノの植樹
 尾道市は今年度も、千光寺公園の桜保存事業を
継続、整備を行っている。遊具を撤去したグリー
ンランド跡地の芝生広場の整備も春に向けて本格
化。さらに市民との協働を掲げた「マイ桜制度」
も始まり、近く初めての植樹イベントが開かれる。
                 [幾野伝]

 尾道市による千光寺公園の桜保存事業は、1928
(昭和3)年に植えられた多くのソメイヨシノが
老木になり、傷みや枯れる木が増えたことから、
亀田市政で着手。将来的な保存のための早急な現
状調査と計画の策定、実施が求められ、2000年度
から公園全体の桜木調査が行われた。
 初年度に1000本、続く2002年度に645本につ
いて調査し樹木台帳を制作。台帳には木の高さや
葉の張り具合、幹周、腐朽具合などを記し、老木
化や傷度を色分けした。さらに土壌調査と応急処
置を施した。
 保存実施計画では、老木化の軽い木(全体の80
%、1319本)は枯れ枝やヒコバ工の剪定、防腐処
理、土壌改良など。老木化の進んだ約20%の314
本については、土壌改良などを試験的に繰り返し
ながら再生状況を確認したうえで、伐採し植え替
えが必要かどうかなどを判断することにした。
 実際の治療作業は2003年度から4ヶ年、公園内
を5つのブロックに分けて実施(約3140万円)。
その作業成果は、花が多く咲くようになった▽花
の色が濃くなった▽葉が大きくなった▽根張りが
良くなった▽枝の枯れが少なくなった、などの効
果が見られたという。
 さらに2007年度からは、2010年度までの計画で
伐採を含む植え替え作業を行っている。初年度は
市立美術館から北側、展望台一帯の467本、今
年度(予算約200万円)は南斜面の旧公園を中
心に211本について、薬剤塗布や施肥、剪定、
一部伐採と植樹を実施した。
 2009年度は美術館の西側から公園中心部、最終
の2010年度は北面のグラウンド一帯で続けられる。
 担当の市観光課では、「これまでは必ずしも計
画的に植えられておらず、過度に密集している場
所もある。森ではなく公園なので、将来的には1
本1本を際立たせていく計画も必要。さらに市が
イニシアチブをとるが、市民や各団体の協力があ
ってこそ成り立つ事業」と話している。
 今年度スタートした市民協働の「マイ桜事業」
の植樹式も、間もなく開かれる予定。
 千光寺公園は1990年には「日本のさくら名所
100選」にも選定されている。昨年末現在で、
桜木は1521本となっている。

地形活かし芝生公園に
 グリーンランド跡地整備も

公園の芝生整備
 公園内のグリーンランド跡地の整備は、今年度
予算1880万円で千光寺造園が請負い現在、工事を
行っている。
 自然の地形を活かし植栽を中心にした整備で、
1624平方メートルに芝生を張り(=写真)、歩道
をチップ舗装、周辺の樹木を整理する。
 アジサイやソメイヨシノ(=写真上)、ヤマザ
クラ、カナメモチなどを植栽する内容。観光シー
ズンが本格化する3月末までには工事を終える。



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