2008年12月20日(土)
白樺美術館
千光寺山斜面で公開制作した
 「AIR 尾道」の報告展
  国内外著名アーチストが競演  
展示の様子
展示の様子
 昨年夏、国内外の著名なアーティストや劇団が
千光寺山斜面の空き家やアパートで地域の住民と
交流しながら制作したアートイベント「AIR尾
道」の報告展「Void」が久保3丁目、尾道白
樺美術館で開かれている。入場料は無料で来年1
月12日まで開かれている。
 野村国際文化財団、朝日新聞文化財団、工ネル
ギア文化スポーツ財団の助成を受けフランス大使
館が後援した国際的イベントでAIR(アーティ
スト・イン・レジデンス)は作家が住居に滞在し
ながら創作することで5組の作家が山手の家を宿
泊場所にして、その一部屋は映像編集室に様変わ
りした。
 造形作家、山本基さんは昭和8年に建てられた
旧和泉家別邸、通称ガウディハウスで塩で迷路の
ように道を刻んでいく「迷宮」を制作、床面に広
がる塩の迷路が部屋の敷居を越え、風雨で傷みの
ひどい床面とともに崩れ落ち階下につながり見る
もののスケール感をゆさぶる様子がパネルで展示
されている。
 売れっ子作家、村上春樹の小説「カフカ」の一
章を映像化するためフランスから来尾したクリス
チアン・メルリオさんは久山田に広がる田園風景
や尾道と三原の境の中国自然歩道沿いのホウソの
滝、特徴あるアーチ型の窓がある土堂小音楽教室
などカメラにおさめ「RICEBOWL HIL
INCIDENT」の映像(上映時間40分)を制
作し上映している。
 劇団トリのマーク(通称)は森谷南人子画伯が
別邸として使っていた山城戸庵など山手界隈の様
々な場所で移動カフェをおこなった。カフェとい
っても喫茶店ではなく誰かと出逢うための場所で、
出逢った人達と音の記憶、家の記憶を交歓しお茶
を差し上げることで「記憶の〈交歓〉」へと導く。
美術館入り口と庭園に昨年夏のイベントの名残り
が展示されている。
 ロンドン在住の彫刻家でインスタレーション、
オオツカノプカさんは山手空きアパートで縫いぐ
るみの大小の小鳥Pちゃんが交錯する過去と現在
を見つめ一人言をいっている様子をパネルと映像
で紹介している。
 尾道大学美術学科講師、小野環さんと三上清仁
さんは自分たちの住む街に内包している不安定な
事柄や視覚的要素を題材に人が不在のアパートの
窓に注目し、「もうひとり・Windlowアパ
ート群の窓」の野外作品を作った。虚構の窓が夜、
闇にとけ込んだ風景を灯りを使い表現し、その模
様をパネルと大型のガラスを取り付けた家の内部
を会場に再現している。
 2年に1度開催する「AIR 尾道」の第1回
目で期間中、おこなわれたワークショップやレク
チャーの成果もあわせて展示している。

場所はこちらの「お」



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