2008年12月16日(火)
絵のまち四季展
 尾道賞は36歳留学生に
  個性豊か銅賞に80歳、年齢幅も広がる  
尾道賞の、ロープウエイ頂上駅から見た尾道風景
 隔年開催の全国公募展、第13回「絵のまち尾道
四季展」の審査が13、14日に千光寺公園かおり館
で行われ、尾道賞グランプリには中国からの女子
留学生、金樹華さん(36)のロープウェイ山頂駅
からの眺めを描いた油彩画「尾道印象」(=写真)
が選ぱれた。           [幾野伝]

 全国38都道府県の831人から寄せられた1040
点の応募作品について、審査委員長の平松礼二・
了徳寺大学前学長をはじめ奥山民枝・尾道大学教
授、島田康寛・立命館大学教授、藤森兼明・日展
理事、安井収蔵・酒田市美術館長の5氏が2日間
かけて選考。入賞26点と秀作40点、入選413点
が決まった。
 記者発表の席で審査員が1人ずつ次の通り講評
した。
 奥山さん「一昨年と比べても作品に充実感があ
った。銅賞に80歳の方(城野さん)が入賞したが、
自由な心で明るい絵を描かれているのが審査員と
しても嬉しかった」▽島田さん「絵はがき的では
なく、新しい視点で見た作品が多く、バリエーシ
ョンがあった。若い人から高齢者まで、いろんな
世代の作品が上位入賞した」▽藤森さん「今回初
めて審査させて頂いたが、限られた範囲の尾道の
町を題材にどういう作品が出てくるのか楽しみだ
った。個性とバリエーション豊かな作品が多く、
私自身も勉強になった。この企画が続くことで尾
道の存在感が高まると思う」▽安井さん「1回目
から参加しているが、毎回進化している。充実し
多角的な作品が多く質が高かった。主要な受賞作
家に若い人が増えた」。
 審査委員長の平松さんは「1日目はまず481
点に絞り、2日目は137点に、検討を重ねて66
点、さらに43点から合議制で18点を選び、協議を
尽くして賞を決めた」と経過を説明。
 「私は3回目の審査だったが、今回の特徴は外
国の方が初めて大賞をとったこと。さらに80歳を
超える高齢者の上位入賞があったこと。全体的に
は人物、季節、時間、季節など個性的に表現され、
具象、半具象、抽象とインスタレーションに近い
作品まで幅広かった」と感想を述べ、「改めて尾
道が生き生きし始めている。応募1000点を越える
展覧会は全国でも稀で、大コンクールになってい
る。広がることがレベルを高める。新鮮さが良い
イメージにつながり、次回にも期待したい」と語
った。
 グランプリ受賞作については「同様の場所から
描いた作品は数点あったが、スケール感があり広
がりを感じた」と高く評価した。
 地元尾道市内からは梅谷美保子さん(60)の日
本画「春宵」が市立美術館奨励賞に入った。秀作
には石川豊さん(85)の日本画「家路」など6点
が選ぱれた。
 展覧会は来年2月21日から3月8日まで、入賞
と秀作作品が市立美術館、入選作品が本通り商店
街などに展示される。表彰式は初日に美術館で開
かれる。



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