2008年12月14日(日)
タイムスリップ・レール..尾鉄展へ
 尾道鉄道の思い出
  市民から寄せられた尾鉄の記憶  
写真パネルなど展示の様子
 街かど文化館で開催中の尾道鉄道の企画展【夕
イムスリップ・レール..尾鉄】では、失われたあ
りし日にしぱしタイムスリップして、尾鉄の在っ
た風景を懐かしむ市民の方々が日々見られる。
 会場では情報(遺構発掘や思い出)の持ち寄り
も常時受付けているが、先週の『尾道をゆく』で
紹介した関連遺構の情報提供に続き、市民の方か
らの尾鉄の思い出も複数寄せられている。その中
から二つほどご紹介したい。
 ◆(昭和30〜31年頃の思い出)学校を卒業して
最初に赴任したのが栗原小学校でした。現在の桜
町(当時は下組と言っていました)に住んでいた
私は、地方事務所裏から電車に乗って宮の前で降
りていました。当時1級の子供は60人でした。
若かった私は、休日になると、学校へ集まって子
供達を連れてあちこち遊びに行きました(今思う
とゾーッとしますが)。
 ある日曜日、三成川へ遊びに行こうという事に
なって、栗小へ集合し、歩いて行く予定でした。
集まった40人位の子供を並べて向峠へ行く途中、
電車の線と交差する所へ差しかかった時、丁度北
へ行く電車が来たのです。危ないので止まって待
っていました。すると電車が急に止まったのです。
みんな驚いていると、車掌さんが現れて、子供達
を電車に引っ張り上げて乗せて下さったのです。
驚いている私も最後に引っ張り上げて下さっても
うびっくり、子供達も大喜び。三成で全員降して
頂き、楽しい楽しい一日を過ごして帰りました。
その方のお名前も分からずお礼にもうかがわず何
十年も過ぎてしまいました。
 そのお方と、車の運転免許の更新の場でお会い
しました。その時初めて橘様だということが分か
り、その方も覚えていて下さいました。本当に懐
かしい想い出です。
 この鉄道が失くなってしまうのは悲しく淋しい
事ですが、今の車社会では当然の成り行きかなあ
と思っています。
 たくさんの思い出をありがとうと心からお礼を
言いたい気持ちです。【端山さんから】
 ◆(昭和5年の思い出)小学校6年生の夏、受
持の先生につれられて美ノ郷の川へ蛍(ホタル)
狩りに行った。浴衣に絹のしごきの帯を結んで、
ほたる篭を手に電車の座席に並んだ光景を思い出
してみると、十人位だったろうか。川端の草むら
に草履をぬぐと、先生の大声が飛んできた。「み
んなしっかり手をつないで..離すんじゃないぞー
ぉ。離すんじゃないぞーぉ」。今も先生の必死の
声が甦ってくる。(中略)向こう岸の草むらの上
をたくさんの蛍が菜の花色の光の円を描きながら
飛んでいた。肩をゆすりながら、一所懸命に私達
を運んでくれた電車と先生に、心からありがとう
を言いたい。人と歴史をつないでくれた電車であ
る。【池田さんから】
 会場には「尾鉄の思い出ノート」も設置してお
り、既に来館された市民の方によって思い出が書
き綴られている。本通り街かど文化館(三井住友
銀行隣)、10時〜18時、木曜休館で24日まで。

場所はこちらの「お」



ニュース・メニューへ戻る