2008年10月23日(木)
きょう鞆住民
 埋立架橋10万余人の反対署名
  免許の認可出さぬよう
  国交大臣に提出、要望を
鞆の浦の海
 福山市鞆の浦の埋立て架橋計画で、近いうちに
国土交通省から広島県へ埋立て免許の可否が示さ
れるのではないかと言われているなか、事業計画
に反対する住民団体は、署名が目標の10万人を越
えたため、23日午後、金子一義国土交通大臣に提
出、埋立て免許の認可を出さないよう要望するこ
とになった。
 署名は「世界遺産登録をめざすまちづくりプロ
ジェクト」の発起人一同の名前で、今年1月16日
から活動を展開、これまでに10万2000人分を集め
た。地元をはじめ国内に限らず、海外からも反対
の声が寄せられている。
 署名用紙では「今こそ、福山・鞆の浦の未来の
ためにみんなで考える時です」と呼び掛けた。
 鞆の浦の歴史的遺産の価値に触れたうえで、
「ところが今、広島県と福山市は、風土に根ざし
た文化・生活・景観を台無しにする埋立て架橋計
画を強行しようとしている。行政は強行理由に車
輛の渋滞解消を掲げているが(2007年11月に市民
が行った交通量調査では渋滞の実態はなかった。
埋立て架橋計画が強行されれば公害道路に囲まれ、
世界遺産価値を失ってしまう」と主張。
 その上で1.埋立て架橋計画の中止2.世界遺産登
録物件として推薦する3.それらを前提に住民参加
でまちづくりの構想全体を練り直し、実施につい
ても多くの市民が関われるよう工夫する、と3点
の要望を掲げた。
 16日の埋立て免許差止め訴訟の担当裁判官の現
地視察後、原告団の会見で松居秀子原告団事務局
長が、「大臣がころころ交代し、選挙もいつある
か分からない政局が不安定な状況で、署名を出す
タイミングを見ている。提出してもどこへ行った
のか分からなくなるのでは意味がない。10万人以
上の反対の意思と気持ちを有効的に届けたい」と
語っていた。
 国交省には大井幹雄団長、松居事務局長ら3人
が出向く予定。
 30日には広島地裁で、免許差止め訴訟の9回目
の口頭弁論が開かれる。
                  [幾野伝]



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