2008年8月19日(火)
吉和太鼓踊り
県無形文化財 保存会隔年で浄土寺に奉納
 初めて駅前の芝生広場で披露を
浄土寺多宝塔前で踊る
 室町幕府を開いた足利尊氏ゆかりの県無形民俗
文化財「吉和太鼓おどり」が18日午前、東久保町
の真言宗浄土寺(小林暢善住職)に奉納され、市
内各所で踊られた。        [幾野伝]

 紺地の法被に手甲、脚絆、白たすきの揃い装束
に身を固めた吉和太鼓踊保存会(山本正直会長)
のメンバーに、吉和小・吉和中学校の児童・生徒
合わせて約60人の踊り手が太鼓、かん鼓方などで
参加。世話役30人も付き添った。
 地元の吉和西元町と胡子神社前、市役所広場、
尾道漁協前で演じたあと、旗印や御船の模型を先
頭に、浄土寺参道の石段を「カーハー、ハイヤー、
ハー」という勇ましい掛け声で後ろ向きになり太
鼓や鉦を打ち鳴らしながら登っていった。
 続いて本堂前で「舟歌」、多宝塔の東側で「本
打ち」と呼ばれる踊りを奉納(=写真)、多くの
参拝者や観光客が古刹での勇壮な踊りを見物して
いた。
 吉和太鼓おどりは700年近くの歴史があり、
京都での戦いに負けた足利尊氏が1336(建武3)
年、九州に下る時、浄土寺で戦運の挽回を祈願、
これに吉和の人々が船手として加勢し戦功を挙げ
たことで、尊氏からの恩賞を受け、喜んで踊った
のが始まりとされている。
 その後、病魔退散など浄土寺観音に祈願する行
事として太鼓保存会が2年に1度、8月18日(旧
暦7月18日)に奉納している。1965年10月に県無
形民俗文化財に指定され、旧尾道市内の三大無形
民俗文化財のひとつに数えられている。
 午後からは、吉和地区にゆかりのある東尾道の
企業を廻り、今年初めて駅前の芝生広場でも踊り
を披露した。



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