2008年8月3日(日)
生誕120周年
本邦初公開、里帰りの作品も
 小林和作「天地豊麗展」
  日本画、洋画81点で和作像に迫る
展示の様子
 市制施行110周年、名誉市民小林和作生誕
120年を記念して尾道市立美術館で「小林和作
天地豊麗展」が1日から始まった。10年振りの大
規模な回顧展で80点を超える日本画、洋画を並べ
て和作翁の画業を辿り、民衆画家の実像に迫ってい
る。9月28日まで。
 生誕120周年記念展はこれまでの回顧展から
視点を変え、和作翁がスケッチ旅行中に不慮の事
故で亡くなる昭和47年に刊行された自薦画集「天
地豊麗」に収録されている作品を中心に81点を展
示している。東京国立近代美術館、山口県立美術
館、広島県立美術館、しぶや美術館や個人から出
品協力を得た。
 最初、日本画を志して京都の美術専門学校に学
んでいた頃、文展に入選した二幅の三重県「志摩
波切村」や京都伏見あたりを描いた「柳蔭山水」
など若かりし時代の日本画5点を展示している。
 本邦初公開の作品は市内の個人が所蔵している
「英彦山中の秋」、東京国立近代美術館から10年
振りに里帰りした「山湖」=写真=など、めった
に観られない作品も並べられている。
 洋画に転向してから上京、梅原龍三郎、中川一
政、林武らの指導を受け春陽会で活動、ヨーロッ
パに渡り、イタリアの「カプリ島風景」、「アマ
ルフィ海岸」、パリで女性を描いた「婦人像」な
どの作品も展示。
 春陽会を離れ、独立美術協会会員となり、尾道
に居を構え、春、秋に風景画の画題を求めて日本
全国を旅行し、おぴただしいスケッチを積んで油
彩画を制作した。尾道から向島を眺めた「尾道風
景」や「日照雨」、「備後山野峡の秋」、「紀州
の海」、信州白馬山中の「渓流」、「伊豆風景」
のほか「妻の像」や「小西武子像」と人物、昭和
49年、亡くなった年に描いた最後の作品「春の海」
と生涯を通した作品が並べられ、和作像に迫って
いる。
 9月6日午後2時から作家、高橋玄洋さんの
「小林和作の全貌」と題した講演がある。
 このほか夏休み「わくわくこども美術館」のイ
ベントとして9日「エコバッグを作ろう」、10日
に「ポスター教室」、14日に「版画ワークショッ
プ」、10日と9月14日に「わいわいがやがや お
しゃべり鑑賞会」が開かれる。
 観覧料は大人700円、高大生500円、中学
生以下無料。休館日は月曜日。

場所はこちらの「お」



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