2008年6月27日(金)
息づく庶民の生活
「白い世界−村上選油絵展」
 大作、ミコノスの風景
 7月8日から14日 芸術の殿堂、東京三越本店で
ミコノス
 民間の芸術の最高の殿堂、東京の日本橋三越本
店で3年振り5回目の「白い世界−村上選油絵展」
が7月8日から14日まで開かれる。23年間にわた
り描き続けているエーゲ海、ミコノス風景を中心
に展示する。
 選さんと親交の深い脚本家、高橋玄洋さんが
″温もりの白の不思議″と題して「選さんの白に
魅せられて何年になるだろう。
 白は不思議な色である。
 絵ノ具では色の一つだが絵の中では太陽の反射
であり光そのものになる。
 反面冷ややかな連想にも繋がる白だが、選さん
の白に温もりを感じるのは太陽の温もりと共に、
それが大地に染み地熱になって再び地上に返って
くる温もりを含んでいる、と最近になって思うよ
うになった。
 一口に言えば空気だが、色面にはそんな微妙な
空気を的確に表出することは容易なことではない。
 常に新しさを覚え、眺めていて飽きることがな
いのはそんなところがあるのだろう」と選さんの
白の世界を的確に捉えた推薦文を寄せている。
 選さんが初めてミコノスを訪れたのは小林和作
美術振興奨励賞を受賞した1985年、以来23年間に
わたり、折りに触れ訪れ、一貫してミコノスの白
の世界を描きつづけ、今回の三越本店では集大成
というべき作品群を展示する。
 うららかな春日和のなか、うら若きお母さんが
子どもを抱いて近所の主婦らと石畳の広場で談笑
している「ミコノス」(100F)=写真=や海
辺の海岸で荷物を背負った駿馬を引く男性の「ミ
コノスの広場」(50F)など穏やかなエーゲ海の
小島で生活する庶民の鼓動や息遣いが聴こえてき
そうな選さんならではの明るく澄んだ白の世界が
描かれている。
 選さんは「イタリア、ポルトガル、チュニジア
など欧州各国を回りスケッチ旅行したが、最も肌
に合うのがミコノスで自然に足が向いていた。ミ
コノスは自分の絵を作っていく要素がつまってい
る。このたびの個展では23年間の集大成の作品を
ならべたみたい」と話していた。
 選さんは一水会展佳作賞3回、小林和作美術振
興奨励賞、一水会展安井奨励賞と石井奨励賞、安
井賞展入選2回、日展入選16回。芸術の殿堂、東
京三越本店での個展は今回で5回目となる。



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