2008年6月21日(土) 山陽余韻 |
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▼車を運転しないので、最近はめっきりご無沙汰 しているが、栗原町のメイトの北にある「東珍康」 の店内に、相当な歴史をうかがわせる尾道方言の 番付表が掲示してあった。横綱・大関などを記憶 していないが、なるほどよく出来ていると根っか らの尾道人が感心させられた代物だった。 ▼「ほうげん(放言)記」との関連でいえば、 「トラゲル」とか「オラプ」といったものがラン クアップされていたような気がするが、親父が戦 前にお上りさんで銀座で撮してもらった写真があ り、それを我子に見せながら「尾道弁」の話をし てくれた(子どもの頃)のを憶い出した。 ▼父が言ったのは「標準語とまるで違うという意 味」で、「ミテル」と「傘に乗せる」の二つを挙 げた。ミテルとは「満てる」で、普通なら一杯に なるの意が尾道弁では逆様で無くなる(ノーナル)。 「傘に乗せてくれ」と言おうものなら、「どうし て傘の上に乗る必要があるのか?」、「傘に入れ てくれ」でしょうという話。 ▼余韻子は、リストアップされていない「ヨーマ ー」を尾道弁の横綱に推奨している。これは栗原 から長江方面の″限定方言″かもしらぬが、「よ 〜ま〜」こそ尾道人そのものだと思うからだ。 「おせっかいをやく」、「要らんことをする」と いった意味だが、ニュアンスとしてはポジティプ (肯定的)でありユーモラスな語感でつかわれて いるのではなかろうか。 ▼他にピサンゼセッション推選の「がんぽう」と か、ちぴっこギャンブラー(パッチンとかランタ ー、チンチンゴマ)が愛用していた「ジャラ」、 「ホンコウ」なども懐かしい。リストアップされ た中では、他に「サバル」とか「ネキ」、「スバ プル」などは尾道弁の面目躍如といえるが、「ソ バエル」は??。「ツバエル」(ふざけて遊ぶ様) なら分かるのだが ▼「こんなぁー、ネキに来ちゃー、すぐサバッタ リツバエタリ、チョーバッタリ、ヨーマーぱぁー しゃーがるが、がんぽうなようでもほんまはエー 奴でー。テゴーもようすらー」と東京のど真ん中 で喋っても恐らく誰にも通じないであろうし、日 本語とは思われないかもしれない。それくらい 「尾道弁」は迫力もあるし、愛すべきものでもあ るのだ。「ネキに来ちゃー、ジキにサバリツイタ リ」と直すとほぽ完璧だが、尾道人にも通じない 恐れすらあるのが今日でもある。 |