2008年1月25日(金)
平成の大修理
 釈迦如来像など遷座
  国の重文浄土寺「方丈」の工事開始前に
法要
仏像を運ぶ住職
 (続報)修繕工事が始まる東久保町、真言宗浄土
寺(小林暢善住職)で24日午前11時から、国重要文
化財「方丈」に安置されている仏像を移動する「遷
座法要」が営まれ、併せて工事の安全が祈願された。
                  [幾野伝]

 1968年4月から70年6月にかけ、本堂や多宝塔な
ど国宝の全面改修が行われた「昭和の大修理」から
ほぽ40年振りとなる今回の「平成の大修理」は、
2005年からの「裏門」に続いて5ヶ年の計画で進め
られる。総事業費は約4億6000万円で、「方丈」▽
茶室「露滴庵」▽「庫裏と客殿」▽「宝庫」▽「唐
門」▽「山門」の6棟の国重要文化財を整備してい
く。
 初年度は3月末までに、「露滴庵」の茅葺き屋根
の葺き替えを中心に、来年度と再来年度に解体工事
が予定されている「方丈」の足場と建物全体を覆う
工事用の屋根の設置が行われる。施工は葉名組、設
計管理が文化財建造物保存技術協会(東京)で総工
事費は3953万円。
 法要には三宅敬一・保存修理委員会副委員長はじ
め葉名範秀・葉名組社長、文建協職員、檀信徒ら15
人が出席。
 小林住職、長老の小林海暢前住職らの読経に合わ
せて出席者が焼香、工事期間の安全と無事の完成を
祈った。
 三宅副会長が「万事作業が上手くいくように、私
たちも気を引き締めていきたい」とあいさつ。小林
住職は「これで工事が始まる心のけじめになった。
お預かりしている大切な文化財を、後世に伝えてい
くために、決意を新たにしている。歴史的な事業が
無事成就するよう、仏様も見守って下さるはず」と
述べた。
 本堂と阿弥陀堂に移動した仏像は方丈の御本尊
「釈迦如来座像」(鎌倉末期)、「如意輪観音菩薩
座像」(江戸末期)など4体で、住職達によって大
切に運ぱれた。
 方丈は1690(元禄3)年、尾道の豪商・橋本家が
施主となって再建。正面と側面に吹き放しの広縁が
あり、内部は5室で構成されている。



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