2008年1月1日(火)
尾道学研究会presents
 尾道遺産アーカイブス紙上展
港の賑わい

デパート

畳表商

古地図
 尾道学研究会(天野安治会長)がお届けする仮
想の地域文化資料館『尾道遺産アーカイプス』
(アーカイプス=史料・記録保存、その保存・閲
覧施設の意)へようこそ。我々尾道学研究会と本
会々員が所蔵する尾道学史資料の一部を、紙上展
示会形式にここに公開致します。
 セピア色の尾道風景を記録する尾道絵葉書に古
写真、街並み景観の変遷を辿る上で見逃せない古
地図、郷里ゆかりの人物の遺品、そして山口真一
氏による「尾道学文庫」と、カテゴリーを限定せ
ず、未来へ伝え残したい我がまちの大切な宝物=
尾道遺産(地域文化遺産)を、どうぞごゆるりと
ご展観下さい。

1.【絵葉書】尾の道魚市場〔明治期、尾道学研究
会蔵〕..土堂海岸、中央桟橋西側の築出浜に開か
れた魚市場風景。魚市場は、明治8年(1875)に
天寧寺大門から築出浜へ移り、その後、桂馬商店
南側へと移る。写真は中央桟橋から西へ向けて撮
られており、賑わう市場の様子が見て取れる。沖
合に停泊ないし航行する船の辺りに艀(はしけ)
が渡されており、位置的に兼吉渡し(尾道渡船)
と見られる。消印の【KOBE・11・5・6・J
APAN】は、1911年=明治44年5月6日に神戸
から出された事を示す。モノクロ写真に専門の職
人が彩色を施した「手彩色」の絵葉書である。

2.【古写真】大松百貨店開店〔戦前、菅井氏提供
・尾道学研究会蔵〕..久保2丁目本通りのアクセ
(元まるべに3号館)の位置にあった「大松百貨
店」が開店した時の記念古写真で、時代は昭和初
期頃と推察される。外観を写すこの他に、人でご
った返す店内、陳列商品、食堂、役員室など、開
店時と誓文払い時の古写真十数枚が一括して残さ
れていた。西に隣接してハラダ文具店の建物が、
また東端にチラリと見える建物はアールヌーボー
建築の秋元洋服店であろうか?。外灯部分に「市
バス停留所」のサインが見え、市営バスが本通り
を走っていた事を偲ばせる。

3.【古写真】長江畳表問屋街〔大正頃、児玉家提
供・尾道学研究会データ蔵〕..長江で畳表問屋を
営まれていた児玉家直系の方からご提供頂いた古
写真。福善寺下の旧長江通り、今も往時の建物が
一部辛うじて残っているが、まさにその界隈の現
役時代を映し出す。店の前に店員が居並び、商品
の茣蓙(ござ)か筵(むしろ)が並べられた記念
写真の様である。看板にある1から9迄の印が目
を引く。畳表の等級であろうか?。提灯型の外灯
も洒落ている。
4.【古地図】廣島縣管内全圖〔明治42年6月印刷
発行、小西家蔵・尾道学研究会データ蔵〕..明治
末期に出された定価「金参銭五厘」の広島県地図。
全体図に加え別枠として、「安芸國廣島市」と
「備後國尾道市」の市街図を掲載する(拡大写真)。
明治37年調査人口表「三万〇三百五十人」、所在
地案内では、郡役所、住友銀行、郵便電信局、尋
常小学校、尾道勧商場などが見える。安芸の広島、
備後の尾道と、広島県の二大雄たる町であった事
を、この古地図が語りかけている。所蔵者は、呉
服商などで知られた有力尾道商人の小西家である。

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