2007年4月4日(水)
長江中町内会
 古家改修サロン事業も
  活動拠点『南人子さんとこ』開所
建物

開所式
 画家、森谷南人子(1889〜1981年)が生前暮ら
していた長江1丁目の旧宅跡地を活用した憩いの
スペース『南人子さんとこ』が1日、オープンし
た。長江中町内会(香本昌義会長)のマチづくり
研究会が主体になって整備してきたもので、来月
には改修した古家を使って市社協登録のふれあい
サロンも開設、運営していくことになる。今後は
施設の整備と合わせてソフト面を充実させていく。
                 [幾野伝]

 長江1丁目の北側半分と2丁目の南側一部がエ
リアの長江中町内会(世帯数156軒)では、県
道栗原・長江線の拡幅構想に基づいた尾道市によ
る住民アンケートの実施を契機に、「魅力的な住
環境の整備と活性化に向けて、出来るだけ自分達
でやってみよう」、「町内をよく知って将来に夢
を描いてみよう」と2004年10月、香本町内会長を
中心にマチづくり研究会を設立。
 「若者が出て行く→独居老人の増加→体力の限
界→転居→空き家→廃屋」という実情があるなか
話し合いを重ね、まず空き家や空き地の整備が最
優先と考え、2005年10月に活動の拠点として森谷
家(笠岡市)と旧宅跡地の借地契約を結んで整備
に着手した。
 全て住民らのボランティアによる人海戦術で進
められ、尾道市もアドバイスするなどバックアッ
プ。さらに広島県建築士会の「地域貢献活動基金
助成事業」の指定を受けるなど、町外からの協力
もあって約1年半で形になった。当初は壊す予定
になっていた半壊状態の小さな離れ(平屋)も自
分達で補修、「山城戸庵」と名付けて拠り所とし
た。庵(=写真上)は来月にも開設予定の市内
136ケ所目となる市社協登録のふれあいサロン
としても使われる。
 開所式には住民や市都市デザイン課職員らも出
席。ソメイヨシノを寄贈した向井信雄さんの家族
がテープカット(=写真)、香本さんが「のべ
500人の方に協力頂きここまで漕ぎ着けた。こ
れをいかに使うかが大切で、まだ不十分なハード
面の整備を進めながら、皆でアイデアを出してソ
フト面の充実を図っていきたい。南人子さんとこ
はあくまでも『点』であり、町内会全体の『面』
も視野に入れながら活動していきたい」とあいさ
つ。
 来賓出席した中司善章・市都市デザイン課長が
「皆さんは地域づくりで際立った活動をされてお
り、行政としても支えていきたい」、元廣清志・
県建築士会尾道支部長は「町づくりはそのきっか
けが大切で、自分達の手でという思いに感銘した。
地域活動に役立つことができて嬉しい」と語った。
 尾道で生活を始めた37年ほど前に同地区に住ん
だ経験があり懐かしいと話す松井裕子・市社協係
長は「古い町には財産がある。しかし住んでいる
方達の熱い思いがないと残せない。若者にも活動
に参加してもらい、ここが基地になることを望む。
サロンとしては小さいが、庭を活用したらよい環
境になるはず」とアドバイスした。
 「山城戸の道は頼山陽が通い、町内には文人墨
客が集い、大林映画の口ケ地となった歴史とロマ
ンがある。我々の代で終わることなく、孫やひ孫
の代まで続いていくよう、夢を描きたい」と香本
会長。サロン事業の他にも、老人会や子ども会に
も積極的に利用を呼びかけ、花見や月見会、花火
鑑賞会、歴史・植物の散策ウォークラリー、昔の
遊び伝承教室などを企画していく。



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