2007年3月14日(水)
16日東京で会見
C・Wニコルさんや陣内秀信教授も
 呼び掛け大林宣彦監督ら8人
  「鞆の浦」全国支援の会立ち上げ 
陣内教授と大林監督

美しい石積みの雁木が健在の鞆の浦港
 「鞆の浦」の歴史的な景観と豊かな暮らしを創
造する住民活動を応援します−。鞆港の埋め立て
架橋計画に反対する全国組織が16日発足し、東京
で記者会見を開く。尾道出身の映画作家、大林宣
彦監督はじめ陣内秀信・法政大学教授、作家のC・
W・ニコルさんらが呼びかけ人として参画する。
計画の見直しを訴える地元の住民団体も改めて結
束し統一組織を発足させる予定で、今後共動して
いく。
                 [幾野伝]

 福山市と広島県が計画を進めている鞆港の埋め
立て架橋道路建設は、新年度早々に工事に必要な
認可申請を国土交通省に提出する見通しで、反対
運動を展開している住民グループの活動を応援し、
全国的な関心と世論の高まりを目的に支援する会
を立ち上げるもの。
 呼びかけ人は大林宣彦監督(写真右)はじめ、
陣内秀信・法政大学工学部教授(写真左)▽東洋
文化研究家のアレックス・カーさん▽作家のC・
W・ニコルさん▽1968年に日本で初めての高層ビ
ル「霞ヶ関ビル」を建てた工学博士の池田武邦・
(株)日本設計名誉会長▽伊東孝・日本大学交通土
木工学科教授▽前野まさる・東京藝術大学名誉教
授▽フンク・カロリン広島大学助教授の8人。事
務局は横浜市に置く。
 大林監督は1991年公開の映画《ふたり》などを
鞆の浦で撮影、最近では子供の未来を考える住民
組織の福山講演会に招かれたり、大学時代の文芸
部の同窓会をこの町で開くなど関わりを深め、特
に親交しているNPO法人「鞆まちづくり工房」
の松居秀子代表の熱意に応えて参画する。
 アレックス・カーさんと陣内教授は、鞆の浦の
歴史的価値と遺産を活かした町づくりの必要性を
説き続けており、先日開かれた古都保存財団主催
の「歴史的風±100選記念フォーラム」でもパネ
ラーとして鞆の浦の問題について言及している。
 16日の発足会見は午後1時過ぎから、東京霞ヶ
関の弁護士会館で開かれる。住民代表をはじめ大
林監督と池田氏、伊東、前野両教授が出席し、鞆
の浦の置かれた現状を説明、広い支援を呼びかけ
る。
 現在大分でCMの撮影をしている大林監督は
「会見では、鞆の皆さんの暮らしの中から紡がれ
る、切実にして真実の言葉で語られるのが一番大
切ではないか。ぽくは心静かに出席したいと思っ
ています」と心境を語っている。
 会事務局では「これはただ単なる反対運動では
なく、本当に価値あるものを、一部の利益のため
に失うのではなく、世界の未来のために守り受け
継いでゆくことが出来るかどうかの重要な問題で
す」と発足の案内書で訴えている。

尾道で応援団結成の動き
 鞆の浦と最も地理的に近く、同じ瀬戸内の港町
で歴史的な繋がりが深い尾道でも、鞆住民を支援
する会の発足に呼応して応援団の結成に向けた動
きが始まっている。

ご参考:鞆まちづくり工房



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