2006年12月9日(土)
浄土寺多宝塔
正月3日、日本テレビ系列で放映
 チベット仏教砂絵「砂曼荼羅」を破壇
  仏が降臨し知恵と慈悲の世界
砂曼荼羅を崩す
海岸で拝む参加者
 東久保町、大本山真言宗・浄土寺(小林暢善住
職)で今年4月、再興700年を記念してチベッ
ト「砂曼陀羅」を制作、仏が降臨して浄土の世界
が出現していた。7日、この「砂曼陀羅」を自然
と宇宙に返す破壇式がチベット密教の儀式と作法
にのっとりおこなわれた。日本で「砂曼陀羅」の
入眼法要、破壇式が行われたのは浄土寺が初めて
で正月3日、日本テレビ系列で全国に放映される。

 曼陀羅は知恵と慈悲に満ち溢れる仏を迎える空
間で日本や中国では紙や絹などに絵画として描き
保存しているがチベットでは供養が終われば直ぐ
に壊され曼陀羅の砂は川に流されている。チベッ
ト密教独特の砂絵と呼ぱれている。
 浄土寺再興700年祭に合わせ4月、国宝多宝
塔でチベットから来た高僧2人が20日間かけ「砂
曼陀羅」を作った。手作業で丁寧にすりつぶした
岩絵の具で宇宙の生成原理である地水火空風を象
徴的に表す白、赤、黄、青、黒の5色を基本とし
て、その濃淡で30色に色づけした砂を使って一粒
一粒祈りを込めて制作した。糊は使わず、繊細で
微妙な砂を載せて描くことは僧侶にとって神経を
使う過酷な作業で20日間、食事以外はひたすら描
き続けた。
 砂曼陀羅は観音菩薩の供養や法要、僧の入門儀
式に用いられ700年祭で国重文で本尊秘仏、十
一面観世菩薩が開帳されたのに合わせ作られた。
 完成した砂曼陀羅の入眼法要を営み、仏が降臨
し浄土の世界が実現、その仏を前に供養と祈願の
勤めが行われてきた。
 7ヵ月にわたる、つとめを終えた砂曼陀羅を自
然と宇宙に返す破壇式が7日、行われた。チベッ
ト、デプン・ゴマン学堂の高僧4人と浄土寺の小
林海暢長老と暢善住職が供養、般若心経を唱えた
あと高僧2人が色彩鮮やかな砂曼陀羅を刷毛で壊
していった=写真上=。
 破壇式を終えチベット高僧は「仏様に帰ってい
ただく儀式でここにある砂は仏様が宿っている。
これから海に砂を流します。海の生き物が仏様の
力をいただいて活かされるよう祈願します」
 小林住職は「春、桜花爛漫の時期、再興700
年祭を執り行った。桜の花も散り木枯らしが吹く
季節、仏さんがお帰りになる。まさに色即是空。
定證(じょうしょう)上人がお寺を再興して70
0年、諸行無常の感がある」と破壇式にあたり感
想を語った。
 浄土寺を下った元浄土寺渡船乗り場でチベット
高僧、小林住職、それに番組のナビゲーターをつ
とめる新日曜美術館キャスター、ハナさんも参加
して読経をあげ=写真下=、曼陀羅砂を海に流し
た。
 砂曼陀羅をコーディネイトした尾道大学講師で
村上アーカイプス、村上宏治さんは「700年祭
は仏陀に帰れというのがテーマでした。曼陀羅と
は精髄、本質といった意味で700年祭に相応し
いものになった。入眼法要から破壇式までチペッ
ト仏教にのっとり行われた。このことは日本で初
めてです」話していた。
 一連の模様は広島テレビが取材、正月3日、日
本テレビ系列で1時間の特別番組として全国に放
映する。ナビゲーターのハナさんはタレント、モ
デル、エッセイストとして活躍。テレビではNH
Kの新日曜美術館、シネマ・アイに出演している。

ハナさんは新日曜美術館の"元"キャスターですね



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