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2006年11月19日(日) 歴史博物館で 海産物問屋の木製伝票棚 町の勢い偲ばせる樺太や台湾、朝鮮の文字も |
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久保1丁目、おのみち歴史博物館で「収蔵品展II」 が聞かれている。「尾道大鍛冶屋」の坂井家と大豪 商・天野家の資料を中心に展示。元海産物問屋「ぬ り源」の宮辺海産にあった古い伝票仕分け棚「木製 状差し」は初公開で、昭和初期の尾道の勢いを今に 伝える資料といえる。 [幾野伝] 尾道火鍛冶屋の資料は湿板カメラ(1860年代) や「火鍛冶屋」と印された印鑑(江戸)、東海道陸 図屏風(同)など8点、天野家の資料は河東碧梧桐 による書軸(1920年)、高橋由一作と伝えられ ている天野半次郎の七十二歳を描いた油彩画、島木 赤彦や佐佐木信綱ら文人から届いた葉書など8点を 展示。 ほかに銀行関連資料として、第六十六銀行の定款 (1910年)、同銀行の一円紙幣、世界大恐慌前 年の尾道銀行の営業報告書(1928年)、同銀行 の貯金通帳なども特別に見ることが出来る。 宮邊勝次さんから先月初め、同博物館に寄贈され た木製の状差し(=写真)は、土堂海岸通りの元海 産物問屋「ぬり源」の宮辺海産に設置されていたも の。同建物は鉄筋コンクリート3階建てで、昭和の 初めに建てられたと言われており、状差しは伝票の 仕分け棚として一階の事務コーナーのカウンターの 背面にあったという。 差し口ごとに「兵庫大阪」「滋賀京都」「千葉東 京」「北海道」など各地の名が記され、「伊豫」の ロだけは2つあることから、特に取り引きが多かっ たことを物語る。ほかに「樺太」「台湾」「朝鮮」 の地名もあり、「営業の範囲が広かった、港町尾道 の時勢が偲ばれる貴重な歴史的資料」と市世界遺産 推進課文化財係は話している。 展示は来年1月14日までで、火曜日と年末は休館。 一般が200円で中学生以下は無料。 |