2006年10月18日(水)
光明寺で「亀息展」
 若い作家のコラボ作品
  客殿床の間で尾道アニメ上映を
階段に黒猫のいるポスター上映の様子
 東土堂町、浄土宗清浄山光明寺(御藤良基住職)
で、「亀息展」と名付けられたユニークなイラス
トレーション展が聞かれている。関西で活躍する
イラストレーター2人が「尾道」をテーマに描い
た素朴な作品展示をはじめ、この原画をもとに短
編アニメーション「オノミチサンポ」も制作、客
殿上間の床の間の壁をスクリーンにして上映、楽
しいアイデアに訪れた観光客や市民を喜ばせてい
る。29日まで。          [幾野伝]

 「尾道灯りまつり」の協賛で行われている寺宝
展の一環で開催。光明寺の客殿(1732年再建)
の裏手にある築山の池には、再建当時から亀が住
んでいることから、茶室が「亀息庵」と呼ぱれて
おり、これに由来しての「亀息展」。御藤住職の
友人で、僧侶とイラストレーターの肩書きを持つ
京都の中川学さん(KOBOUZU)、大阪でフ
リーの山口哲司さん(ICHIZIKU)の2人
に声を掛けたのが始まりで、1年掛かりで準備し
てきた。
 2人が尾道をぶらりと散策し、見たことや感じ
たことを作品に表現したもので、中川さんはパソ
コンを使ったデジタル絵画「尾道水道」、山口さ
んは布地に手描きで「蟠龍の松」などを出品、
「この異なった手法が出会うと、不思議にも懐か
しく温かな世界が生まれました」(御藤住職)。
 さらに企画が進展し、2人が描いた原画をもと
に、短編アニメーションを制作。山口さんの風景
画に、中川さんによるクロネコのキャラクターを
登場させ、尾道の町を山手から海岸まで歩くとい
うストーリーで、デジタルクリエイターの坪井健
さん(大阪)がCGアニメーションに仕上げた。
さらに山口智さんがハンマーダルシマーによるゆ
ったりとしたオリジナル曲を付けて8分の作品を
完成させた。
 布地に描かれた石段や石垣、波止場、民家など
を背景に、穏やかな尾道の生活風景がゆっくりと
展開(=写真左はその一場面)、クロネコのすぱ
しっこい動きが対照的で面白い。客殿上間の幅広
(2m)の床の間をスクリーンにし、プロジェク
ターで上映(=写真右)しており、現在も亀20匹
ほどが生息し、昼間には甲羅干しする姿が見られ
る池を遠目に感じながら、のんびりした尾道時間
を体感できる。
 「若いクリエイター達が尾道をどう見て、どう
表現するかが楽しみだった。予想以上の出来上が
りで、伝統的な佇まいと現代的なイラストレーシ
ョンとのコラポレーションを多くの方に楽しんで
頂きたい」と御藤住職は話している。

場所はこちらの「こ」

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