2006年10月4日(水)
映画《22才の別れ》
「つま恋」の伊勢正三さんも駆け付け
 恋心通し社会見つめる
  今月25日東京国際映画祭で招待上映を
 大林宣彦監督(68)の新作映画《22才の別れ 
リコリス〜葉見ず花見ず物語》が完成し、先週末
東京で関係者が集って初号試写会が聞かれた。作
品は今月25日の東京国際映画祭で特別招待上映さ
れ、角川ヘラルド映画の配給で来年初夏に劇場公
開される。            [幾野伝]

 大分シリーズ2作目となる《22才の別れ》は、
1作目の《なごり雪》と同じくシンガーソングラ
イター、伊勢正三さんの名曲をペースに、大林監
督と南柱根さん(監督補佐)が書き上げたオリジ
ナル脚本による″純真恋愛映画″。企画・製作は
ダイアックスとピー・エス・シー。1時間59分。
 製作者やスタッフ、出演者ら120人が、IM
AGICA東京映像センター(品川区)でロケ以来
久し振りに再会。「信頼しているスタッフと俳優、
配給を担当してくださる皆さまのおかげで、作品
は幸せな旅立ちが出来ます」とプロデューサーの
大林恭子さん(67)があいさつ。叡智と苦労を重ね
た作品の仕上がりをお互いが確認し、完成を喜び
合った。
 人生の岐路に立っている中年のエリート・サラ
リーマン(筧利夫さん)と、偶然にも出会った21歳
の女性(新人・鈴木聖奈さん)の恋心を通して過去
から現代、未来の日本社会を見つめる。彼岸花、
曼珠沙華、幽霊花など様々な呼び名を持つ「リコ
リス」の花をキーワードに、″人の心の物語″を
22年前の青春の思い出とオーバーラップさせなが
らストーリーは展開する。
 舞台は福岡・博多と大分県臼杵市、南隣で伊勢
さんの出身地、津久見市。
 窪塚俊介さん、岸部一徳さん、南田洋子さん、
三浦友和さん、村田雄浩さん、根岸季衣さん、左
時枝さん、峰岸徹さん、清水美砂さんらが出演。
登場人物の要として、焼鳥屋のオヤジ役でベテラ
ン、長門裕之さんが燻し銀の演技を見せる。
 お疲れさまパーティーでは、先日「吉田拓郎&
かぐや姫」で31年振りに「つま恋コンサート」を
開き話題になった伊勢さんはじめ(=写真右)、
出演者らが順番にあいさつ。長門さんは「黒木和
雄監督を送り、この撮影が始まる2日前に今村昌
平監督と別れをしてのぞんだ」と語り、「君たち
は大林監督の元でとても貴重な体験をした。これ
からの俳優人生にきっと大きな力になるはずだ」
とベテランらしく若手の出演者を激励した。
 大林監督は「一つの映画の終わりは、また次の
映画の始まりです−」と締め括り、すでに準備に
取り掛かっている次回作、信州・長野市での新
『転校生』への意気込みを表した。



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