2006年9月28日(木)
フィールドワーク
全国から学生48人尾道の「魅力」探る
 最終日28日午後に公開でプレゼンを
山手の階段で解説を聞く
 全国の建築系の大学生や大学院生を対象に、京
都府木津町のNPO法人「西山夘三記念すまい・
まちづくり文庫」が主催する勉強会、第8回「夏
の学校」が26日から尾道で開かれており、27日も
旧市街地を舞台にフィールドワークが行われた。
 毎年各地の町づくり先進地を訪ねて開催、今年
は「坂と港と横丁の街−尾道の魅力を探る」のテ
ーマで、全国の大学から48人の学生と10人の教員
が2泊3日で尾道に集っているもの。
 初日は市公会堂別館で開校式を開き亀田市長が
歓迎のあいさつ、中司善章・市都市デザイン課長
が「尾道の都市計画行政の展開」として景観条例
制定の動きなどを解説。上村信行・広島大環境安
全センター助手が「広島のまちづくりと町並み保
存の課題」、ドイツ人のカロリン・フンク広島大
総合科学部助教授が「観光客と尾道について」と
題して講義した。
 2日目の町を歩くフィールドワークでは、5グ
ループに分かれて活動。講師は香本昌義・長江中
町内会長「坂のある町に住むこととは?」▽加藤
慈然・妙宣寺副住職「斜面都市の風景づくりにつ
いて」▽大谷治さん「絵になる風景の把握、文学・
映画と都市」▽森重彰文・市立美術館長「海辺の
風景と尾道の建築の魅力について」▽市都市デザ
イン課職員「町中、横丁の魅力」のテーマで、そ
れぞれガイドツアーを行った。
 大谷さんは大林監督の尾道映画に関わってきた
体験を基に話しを進め、学生らと久保や長江、土
堂界隈を2時間散策、山陽日日新聞社にも立ち寄
った。
 千光寺山を登り下りする中で、「踏み切りの音
や尾道水道を行く船の音、自転車の走り抜ける音
など、都会では騒音と考えられがちな″生活音″
も、大林映画では表現の上で大切な要素になって
いる」と説明。「尾道の町で続けられている暮ら
しの風景があれぱこその映像化であり、映画作品
に向き合う市民は、それによって物がたくさん売
れるとかではなくて、その町に住んでいる住みが
いとか、生きがいに心を寄せるべきである」など
と話していた(=写真)。
 3日目の28日は、午後1時半から公会堂別館で、
フィールドワークで得た資料などを基にグループ
ごとに公開のプレゼンテーションを行う。一般市
民の参加も呼び掛けている。    [幾野伝]



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