2006年8月22日(火)
圓鍔記念館
 温泉効果と営業努力で
  春以降、前年比で1.7倍の入館者
ポスター
 尾道市御調町高尾、「圓鍔記念館」(宮迫卓督
館長)の入館者が今春以降、大幅に増えている。
近くにオープンした天然温泉「尾道ふれあいの里」
の恩恵を受けているもので、来月5日から開かれ
る特別展「圓鍔勝三の世界」でも例年以上の入館
者が期待されている。       [幾野伝]

 記念館は御調町出身の彫刻家で文化勲章受章者、
圓鍔勝三さん(1905〜2003年)を顕彰、
継承していく目的で6万7800平方mの記念公
園とともに旧御調郡御調町が整備、1993年に
開館した。
 今年3月11日にふれあいの里がオープンして以
降、4月〜6月の記念館の入館者数が2700人
で、前年同期の1600人と比べて1. 7倍を記
録、例年数字が落ち込む7月も好調を維持し、6
00人(昨年250人)が訪れた。
 ふれあいの里で温泉や昼食を楽しんだグループ、
個人客が帰りに立ち寄るパターンで、市内や周辺
だけでなく県外客も意外と多い。
 学校長、町教育長を歴任した宮迫館長が来館者
を出迎え、丁寧に案内しており、明るい名調子の
解説が好評で、館内で販売している絵はがきなど
の記念品の売れ行きも伸びているという。また館
長はじめ高森恭子学芸員、事務局員が自分達で工
夫しながら館内の備品修理や清掃など環境整備を
心掛けており、そういった営業努力もプラスにな
っている。
 特別展は9月5日〜11月26日までで、テーマは
圓鍔作品に流れる「愛・平和・自然の恵み」。今
回のポスター(=写真上)でも使われている「ガ
ラスのうさぎ」(1981年)など、初披露作品
を含め展示する。

収蔵品
収蔵室増設し環境整う
リフトで大作大入れ容易に

 同館は昨年度、約5000万円を掛け手狭だっ
た収蔵室を増設した。
 開館以来、圓鍔氏本人や家族、町民などから作
品の寄贈が毎年続き、特に8年ほど前から寄贈に
よる収蔵品が一気に増えて、現在1469点を数
えるまでになった。それまでの収蔵庫(44平方m)
だけではとても収まり切らず、事務所横の廊下や
空調設備が入った機械室を臨時の収蔵スペースに
使っていた。
 増設した収蔵室は床面積127平方mで、スチ
ール製の中2階40平方mもある。これまでごちゃ
まぜになっていた作品を「木彫と掛け軸」、「ブ
ロンズと石膏・樹脂・器など」の2部門に分けて
整理することが出来るようになり、温度・湿度な
ど管理しやすくなった。
 さらに運搬用の小型リフトとパレットを購入
(=写真)。これまで人力やチェンプロックに頼
っていた大作の出し入れが容易になり、作品も傷
付けることがなくなったという。

場所はこちらの「え」

公式ページ



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