2006年8月19日(土)
2年に1度
 勇壮に浄土寺に奉納
  700年近く続く「吉和太鼓踊り」
浄土寺参道を後ろ向きに上がる子供たち
 室町幕府を開いた足利尊氏ゆかりの県無形民俗
文化財「吉和太鼓踊り」が18日午前、東久保町、
真言宗浄土寺(小林海暢住職)に奉納された。寺
の町、古刹での勇壮な歴史絵巻に約300人の参
拝客や観光客らが魅了されていた。
 紺地の法被に手甲、脚絆、白襷の揃いの装束に
身を固めた吉和太鼓踊保存会(山本正直会長)の
会員に吉和小・中児童生徒合わせて100人が太
鼓、かん鼓方などつとめ吉和西元町、胡子神社前、
市役所や尾道漁協前で演じたあと旗印や御船の模
型を先頭に浄土寺石段を「イヤハイ」の掛け声も
勇ましく後向きになりながら太鼓や鉦を打ち鳴ら
しのぽった=写真=。このあと境内で「舟歌」な
ど踊りを奉納した。台風の余波もなく平穏無事に
奉納を終えた。
 吉和町太鼓踊りは京都での戦いに敗れた足利尊
氏が建武3年(1336年)、九州に下る際、浄土
寺観音に戦運挽回を祈願、吉和の人々が船手とし
て加勢し功績を挙げ、勝ち戦を祝ったのが始まり
とされ、700年近い歴史がある。
 その後、病魔退散など浄土寺観音に祈願する行
事として吉和太鼓踊保存会が隔年で旧暦7月18日、
現在は8月18日におこなっている。旧尾道市3大
無形民俗文化財のひとつに数えられている。



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