2006年8月8日(火)
尾大生ら雇用
ダライ・ラマ法王の専属カメラマン、村上宏治さん
 映画、CFの尾道誘致
  てごう座の脚本やアーカイブス
メンバー
 「尾道は日本、世界に誇る文化財の宝の山でそ
のルーツを知ることで市民が自信とプライドを持
ってもらいたい」と語るのは尾道大学講師、村上
アーカイプス、村上宏治さん(47)。浄土寺が所
有する日本最古の源氏物語扇面張屏風浮舟の国重
文の指定に向けての取り組み、劇団てごう座の脚
本・演出、財間八郎デジタル文庫、尾道への映画
やコマーシャルの誘致と八面六臂の活躍。知られ
ざる村上さんの素顔を紹介する。
 写真家、秋山庄太郎氏に師事、カメラマンとし
て一本立ちした村上さんは砂漠のような東京での
生活に疲れ尾道に帰郷、寺巡りをするうちに心が
癒され、自分自身を見つめ直し再起をはかった。
 尾道で最初に手がけたのは心癒された浄土寺の
文化財の全容を知ることで2年にわたり秘仏など
撮り続け浄土寺長老の小林海暢氏や財間八郎氏の
協力を得て徳島文理大学、浜田宣教授の解説を交
え「国宝の寺尾道〜浄土寺」を発行した。
 市重文に指定されている紙本金地著色「源氏物
語扇面張屏風」は源氏物語を書く作家や研究家に
欠かせないもので貴重な資料として重宝がられて
いる。屏風に宇治川を渡る「浮舟」図は室町時代
に描かれた最古のもので学習院大学、小林忠教授
の調査では「一級品」と判定され国重文への格上
げの作業を進めている。「これまで学術的に耐え
られる仏像の写真を撮っていない。写真を通して
文化財の価値が高めることができれば本望です」。
今秋、源氏物語扇面張屏風のDVDを出す予定だ
という。
 てごう座の脚本を書くきっかけになったのは東
ロータリークラブでラジオドラマとして作った小
林和作、森谷南人子など脚本を披露したところ故
駄賀繁男さんが気に入り平田玉蘊のシナリオを依
頼された。東京時代、アルバイトでFM東京の
「サントリーウェイティングバー」の脚本を書い
たり、作家赤川次郎のラジオドラマ乱歩シリーズ
の脚本作りの手伝いをしていた。今年、山口で開
かれる国民文化祭に出演する小林和作画伯の「花
と天丼一杯」の脚本・演出も手がけている。
 財間八郎氏の講演を掘り起こすアーカイプス作
業は現在20万字を入力しているが「原稿や写真は
膨大なもので、いつ作業が終わるか見当がつきま
せん。書かれている内容が機知に富み面白く、尾
道の財産です。ここまで情熱とエネルギーを費や
し、やってきたことに頭が下がります」とその姿
勢を見習っていきたいと語っていた。
 写真家として国際的に認知され、チベットのダ
ライ・ラマ法王の専属カメラマンに指定され、今
秋、法王がノーベル平和賞の3人を呼んで宮島の
大聖院で開く世界フオーラムで撮影を担当する。
「チベット秘教は衰退、今のうちに仏教美術を撮
っておきたいという法王からの依頼があり、時間
と都合がつけぱチベットに入りたい」という。
 尾道に映画やコマーシャルを誘致するため企画
書と台本を東京に送り、これまでJR西日本旅の
シリーズやライフカードのコマーシャルを手がけ
てきた。「文化財の宝庫ような尾道を本物の観光
地として売り出したい。そのために尾道に合った
シナリオを書き積極的に誘致したい。他にはない
本物のやすらぎと心癒される街を沢山の人に知っ
てもらいたい」。
 村上アーカイプスには今、尾道大学、倉敷芸大
から5人を受け入れ、働きながら学んでいる。
「大学の授業では現場の仕事はわかりません。大
学を出てすぐに社会に役立つ人を育てるため学生
を鍛えています」と実践を伴った教育、人作りに
ことのほか力を入れている。
 「平和はアーティストが築くもので、そのアー
トを市民のみなさんに提供していき、心豊かな街
にしていきたい」と多彩な才能を活かし、街作り
の一翼を担っている。
 [写真は村上アーカイプスのスタッフ]。

写真と動画もいっぱいの公式ページ
〜山紫水明 心の美の回廊〜




ニュース・メニューへ戻る