2006年8月6日(日)
真言宗千光寺
 本堂舞台27年ぶり改修
  腐食した柱や梁、板、朱色欄干を
舞台に立つ住職
 中国観音霊場第10番札所の東土堂町、真言宗千
光寺(多田義信住職)でこのほど、本堂舞台の改
修が終わり、伝統的な元気な姿が蘇った。
                 [幾野伝]
 赤堂と呼ばれる本堂(1686年建立)の舞台
は、千光寺山の南斜面に突き出す形で造られてい
るために、常に風雨、陽射しに晒されることから
傷み易く、特に前回1979(昭和54)年の大修
理では部材に米松を使っていたこともあって、損
傷のスピードが一層早く、今回27年振りの改修が
必要になったもの。
 6月初旬に着工、施工管理は大浦建設(栗原町)
が請け負った。本堂の屋根を支える4本の朱色の
柱を下部十数mの所で根継ぎし、舞台板の全てと
欄干、さらに下部構造の柱や梁、貫などを取り換
えた。今回は堅くて重量があり、くるいが少ない
と言われるケヤキ材を用いた。
 ジャッキで建物半分を仮支えして交換部位を取
り除き、新材を組み上げていった。1本で1トン
もある梁の交換はクレーンを持ち込んでの大掛か
りな作業になり、舞台板や柱は腐食剤を塗布して
仕上げた。
 併せて景観を考慮して雨樋を塩化ビニール製か
ら銅製に換え、目立たない場所に移動した。
 舞台からは尾道の町並みや向島、折り重なる島
々が一望でき、尾道を代表するロケーションを参
拝者や観光客に提供し続けている。
 「昔は本堂の舞台は下駄や草履を脱いでお参り
してましたので、板の傷みも少なかったのですが
・・」と多田住職。「解体してみると、想像以上
に腐食していることが分かり、このたび工事して
良かったと思っています。歴代の住職が手を入れ
てきましたが、私も檀信徒の協力を得て微力なが
ら改修をやらせてもらい、工事が無事終わって感
無量です」と安堵の表情だった(=写真)。
 同寺では現在、真祥副住職が寺を紹介するホー
ムページの作成も行っている。7年後の2013
年には、秘仏ご本尊の33年に1度のご開帳が予定
されている。



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