2006年8月6日(日)
帆布ワークショップ
全長1km、千光寺参道で巨大な拓本づくり
 「2千年後の龍の行方」
  タツノオトシゴの幟や龍の風鈴
長い階段に敷かれた帆布
 「ハンプワークショップ2006」メインの−
龍の道−2000年後の龍の行方」の拓本作りが
5日、千光寺参道でおこなわれた。長い参道に帆
布を敷き詰め、曲がりくねった巨大な龍が山を登
っているような壮大な景観で市民や観光客を驚か
せた。
 鉄道線路から千光寺山展望台までの約1kmの道
のりを「2000年後の龍」に見立て幅90mの帆
布を敷き詰め、ローラーとインクで道の表情や街
に刻み込まれている歴史や現在の姿を刷りとって
いく巨大な拓本作りで美術作家で福山市立女子短
大助教授、柴川敏之さん(39)が企画、プロデュ
ースした。
 拓本作りは4日から7日までおこなわれ、5日
は小学生ら一般が参加、丁度、龍のお腹部分を刷
りとっていった。参加料は1人、100円でウロ
コ状の階段でローラーをかけ道の表情を帆布に写
し取ったあと2000年後に残したいと思って持
参したコインや蚊取り線香、バンドなど帆布の下
にもぐらせ、再びローラーで刷りとった。「20
00年後の人はこれを見て、どう思うでしょう」
と自分の拓本を見つめながら話していた。工事現
場よろしく「ワークショップをしています ご迷
惑をかけ申し訳ありません」と洒落た立て看板を
たて市民や観光客に仁義を切っていた。龍が去っ
たあと千光寺参道を掃除しキレイにする。
 刷りとられた巨大な拓本は商店街のアーケード
上に展示、長い帯状の帆布の龍が長い体をうねら
す。また龍の子どもを思わせるタツノオトシゴも
登場。プレワークショップとして土堂小学校など
に出向いて児童らと一緒に現在使っている物を拓
本にとった帆布のぽり2000本を作り「200
0年後のタツノオトシゴ」として町中に展示、家
族と一緒に自分の作品を探してもらい、尾道の再
発見につなげていく。
 さらに龍の卵を彷彿させる風鈴を作り、魚の行
商の晩寄りのように屋台さながら町中を引いて回
る。
 「2000年前のポンペイの町は火山で一瞬に
して姿を消したが壁画は残っている。私達の町も
そうした危険にさらされている。架空の生き物、
龍の姿を借り現在を200O年後に伝えていきた
い。龍は過去、現在、未来を行き来する生物で現
在を写しだしていきたい」(柴川さん)との想い
を込めメーセージを発信していた。
 [写真上は千光寺参道に帆布を敷き詰めるワー
クショップのメンバー。下は石の階段で拓本を
刷りとる小学生]。



ニュース・メニューへ戻る