2006年7月26日(水)
復活し12年目の「津部田住吉祭り」
 船を押し倒し最高潮に
  夜空を染め抜き練り歩く管絃船
飾りいっぱいの管絃船
 復活して12年目を迎えて尾道地方の夏祭りと
して定着した向島町津部田、五烏(ごがらす)神
社「住吉祭り」が22日夜開かれ、3隻の管絃船
が「ワッショイ、わっしょい」と勇壮に練り歩き、
大小300個を越える提灯が夜空を染めた。
 津部田伝統保存会(半田守正会長)主催で夜7
時、津部田コミュニティ広場で亀森八幡神社の吉
原孝典宮司が管絃船の巡幸の安全を祈願した。
 大提灯、ほうずき提灯約100個を飾りつけた
男、女、子どもの3隻の管絃船が夜空を赤々と染
めながら掛け声も勇ましく約300奴先の五烏神
社まで練り歩いた。
 五烏神社で3隻が勢揃いし奉納、半田会長の挨
拶、来賓の高山博州県議の祝辞、楠智幸さんが万
歳三唱して祭りを盛り上げた。
 特設ステージでは小中高大学生が1か月前から
練習してきた鉦、太鼓、笛による「戻り太鼓」の
熱気あふれる演奏が繰り広げられ観客から大きな
拍手と声援がおくられた。
 「戻り太鼓」にのり管絃船が再び担がれ、勢い
づくまま走り、止まっては左右に大きく揺らし、
船上のほうずき提灯が地面につくほど押し倒すと
「キャア」と黄色い声とどよめきがおき、祭りは
最高潮に達した=写真=。
 住吉祭りは約300有余年前の江戸時代初期、
海運の隆盛を祈願して始められた。当時津部田地
区は天然の良港で五烏神社近くまで海で安芸の宮
島の管絃祭りのように管絃船を海に浮かべ巡幸し
ていた。
 お囃子のチャンギリ、戻り太鼓は北前船が東北
から運んできたもので青森のねぶた祭り、秋田の
竿灯のお囃子によく似ている。江戸時代、元禄年
間、塩田を開拓するため海が埋め立てられ、管絃
船は陸に上がり、担がれるようになった。



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