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2006年6月30日(金) 古墳期の女性人骨 「古きをたずねて」・・4.御調本郷平廃寺資料館 奈良初期、有力一族の寺院 県重文 弥生時代、首長埋葬の特殊器台 |
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御調町丸門田で発掘された本郷平廃寺遺跡は発 掘後埋め戻され、その痕跡は窺うことはできない。 出土品は河内公民館隣に建てられた資料館に展示 されている。 本郷平廃寺から古瓦が出土したのは戦後で民家 改築の折り、多くの古瓦が見つかった。昭和60年 から本格的発掘調査をおこない塔および金堂遺跡 が発見され、南に門跡と考えられる遺構が確認さ れた。 出土品の軒丸瓦=写真上=は文様が複弁蓮華文 で奈良の石川寺式軒丸瓦と酷似しており、大和の 影響を受けていたことが分かる。建物に使われた 鉄釘、仏具の破片、平瓦も大きいことから有力者 が一族の繁栄を願い建てた大寺院=写真下=であ ると確認された。寺は約1300年前の奈良時代 前期の白鳳時代から平安時代初期まで存続してい たとみられている。 御調町の遺跡は弥生時代のものが最も古く人々 が住みはじめたことが推察される。貝ケ原遺跡か らは特殊器台形土器=写真右=が出土、特殊壷と ともに首長の埋葬の場で使われていた。県の重要 文化財に指定され、資料館で展示している。 遺跡で最も多いのが古墳の円墳で箱式石棺で底 石をそなえた丁寧な造りの後口山古墳から副葬品 の首飾りとともに女性の人骨一体が見つかった。 人骨は発掘者が保存、資料館では目にすることが 出来ないが、古代で見つかった唯一の人骨で貴重 な資料となっている。 [御調本郷平廃寺資料館] 御調町丸河南90-1、 河内公民館隣。開館は月〜金曜日で午前9時半か ら午後4時半。入場料は無料。電話は0848・ 76・1981。 |