2006年6月29日(木)
豊富な生活品や農具
「古きをたずねて」・・3.御調歴史民俗資料館
 江戸期の道中籠や古文書
  県建物百選の旧河内村役場を活用
建物 籠
文章手本
 御調歴史民俗資料館は各家庭に眠っていた農具
や生活用品をはじめ県無形文化財「みつぎ神楽」、
「みあがり踊り」の貴重な衣装、楽器など1300点
余りの膨大な品々を展示、江戸期以降の庶民の暮
らしぶりが手にとるように分かる。
 資料館は明治末に建てられ、県文化財建物百選
に選ぱれた旧河内村役場=写真上=を活用、建物
自体が歴史を刻んだ貴重なものになっている。
 庶民の生活を彩った生活用品は江戸時代の道中
籠=写真中=、明治時代の人力車と交通手段や医
者が湯を沸かすために用いた床風呂、農作業の傍
ら乳幼児を寝かせる育児用えんぼうと今では目に
することができない珍重な品物や戦時中の軍服軍
靴、三八歩兵銃と軍隊用品、10壇の雛飾り、ずら
りと並んだみよし人形とありとあらゆる物が展示
されている。
 米処で明治時代の牛に引かせた足踏み脱穀機や
精米機、もみ入れ大樽、田に水を入れる足踏み水
車と水稲栽培に必要だった農具が大半を占めてい
る。染料に使った大きな藍瓶、畳表織機もあり衣
料をはじめ生活用品を自前で作っていた形跡が伺
い知れる。
 伝統芸能ではともに県無形民俗文化財に指定さ
れている「みあがり踊り」と「みつぎ神楽」があ
げられ、「みあがり踊り」に使われた江戸時代安
政期の大太鼓と大鉦、「みつぎ神楽」の江戸時代
のきつね、鬼、恵比須と神楽面や衣装、陣羽織が
並べられている。
 無形文化財の刀匠、川崎貞行さんの作品と刀が
できあがるまでを紹介している。
 御調の教養の高さを示す古文書がショーケース
に収められ、江戸時代の「文章手本」=写真下=、
「日本外史」、「一得流兵法口伝書」、「孟子」
や明治時代の「辞書」のほか沢山の書籍が一般の
家庭から拠出され展示している。
 資料館は庶民の歴史を紐解く宝の山である。
 [御調歴史民俗資料館] 御調町丸河南86-1。開
館は毎月第3日曜日で時間は午前9時から午後4
時半(団体は希望日に開館)。入館料は無料。問
い合わせは保永昭夫館長(電話0848・76・2
072)まで。

場所>



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