2006年6月27日(火)
「あじさいき」
 池田康子さん一線退く
  雨の季節には芙美子思い出して
あじさい献花

子供たちの合唱
 少女時代を尾道で過ごした作家、林芙美子(1
903〜51年)の命日(28日)を前に、第16回
「あじさいき」が25日午前、雨のなか本通り商店
街西口にある芙美子像前で開かれ、市民ら約30
0人が参会した。
 これまで池田康子さんがリードしてきた「あじ
さいの会」と、3年前から共催している尾道駅前
本町一番街商店街振興組合(山崎浩三理事長)に
よる恒例のイベントで、池田さんが「みなさんの
お陰で15年やってこられたことが感無量の思い。
アジサイは芙美子さんが最も好きだった花。女流
作家の頂上を極めたが、5年生の時に尾道に来て、
その後女学校へ行けたのも当時の尾道の人の協力
があったからこそ。そこで文学の芽を開花させた。
これからも志を継いで一番街とあにさいの会がや
って下さる」と短めにあいさつし、フルート奏者
の崎谷倫子さんに新会長を譲ったと紹介した。
 山崎理事長は「昭和59年に彫刻家の高橋秀幸さ
んによって銅像を作ったが、ここには育った家も
あって芙美子さんの原点といえる。商店街の名称
(愛称)を『一番街芙美子通り』に変える予定で、
これからも大切にしていきたい」と語った。
 向島町津部田、高橋秀幸さんは「17年前池田さ
んから、この先芙美子さんが忘れられるのが寂し
いと言われ、その思いを素直に形にしたのがあじ
さいき。芙美子像はすでに私の手を放れ、芙美子
の化身として今も愛され続けており、これからも
毎年、雨の季節になったら、芙美子さんの命日が
近いことを思い出してほしい」と述べた。
 地元土堂小学校4年生が校歌と「学校坂道」を
合唱(=写真下)、代表作「放浪記」の「海が見
えた。海が見える。五年振りに見る尾道の海はな
つかしい」の一節を朗読した。びんごフルートア
ンサンブルのメンバーが「ふるさと」や「海辺の
歌」などを披露。最後に全員で、像に向けてアジ
サイの花を献花した(=写真上)。
 午後からは商業記念館で、長江小6年と久保小
3年生、石野塾朗読の会による朗読会もあり、芙
美子原作の小説の一節を読み合った。
 29日まで市立中央図書館の展示コーナーで芙美
子原作の映画ビデオや関連図書を、来月2日まで
市文学記念室では元サンデー毎日編集長、故辻平
一さんに宛てた書簡や遺品などを展示している。
                 [幾野伝]

芙美子像の場所>



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