2006年4月29日(土)
 机や食器など愛用品も
  命日合わせ中村憲吉特別展
展示の様子
 アララギ派を代表する歌人で、晩年を尾道です
ごした中村憲吉(1889〜1934)の祥月命日(来月5
日)に合わせて、文学フェア実行委員会は29日か
ら、東土堂町の市文学記念室と旧居で特別展を開
く。来月28日まで。
 直筆の短歌軸や色紙、歌画帖の作品をはじめ、
短歌が入れられた袱紗(ふくさ)や湯呑み、急須、
親友の平福百穂が描いた掛け軸など36点を展示。
中には愛用していた文机、琉球塗りの弁当箱、盆、
フランス製のガラス鉢など身の回りの品もあり
(=写真)、当時の憲吉の暮らしがより身近に感
じられる。
 中村憲吉は元の双三郡布野村(三次市)に生ま
れ、三次中学から第七高等学校造士館、東京帝国
大学に進んだ。高校時代には伊藤左千夫を訪ね
「アララギ」に入っている。最晩年に尾道に移り
療養、「採光通風、眺望のよい所」ということで、
尾道水道が見下ろせる千光寺参道沿いにあった山
中善一さんの別荘に約半年暮らし他界した。
 この時期の恒例行事になっている市観光文化課
とシルバー人材センター職員による旧居の清掃、
草刈りがこのほど行われ、平常より多くの人が立
ち寄るゴールデンウィークにむけた準備も整った。
                 〔幾野伝〕



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