2006年4月23日(日)
みなと祭に合わせ
工房おのみち帆布にアートショップ
 若手作家、学生の発表の場
  尾大美術学科3人展も同時開催
展示の様子
 土堂一丁目、工房おのみち帆布に尾道大学大学
院生や市内若手作家の作品を展示即売する「Ar
t Art Shop」がみなと祭が始まった22
日、オープンした。また尾道大学学生3人による
「ARTH!!!」展も聞かれている。
 工房おのみち帆布1階に設けられたArt A
rt Shop=写真上=は尾道大学美術科大学
院生や若手作家の作品を集めた市内初のミュージ
アムショップで若い作家達の息吹が伝わる意欲作
が展示されている。
 初回はミス尾道で写真家、中本紀子さんの尾道
風景の写真集やポストカード、おくのおさむさん
の漫画本や大学院生のアニメーションビデオ、金
色の額縁で彩られた抽象絵画など13人の作家の
作品が並べられている。
 ミュージアムショップディレクター、尾道大学
美術学科大学院1年、藤井俊輔さん(22)は「作
家の特徴を引き出すために場所や陳列に工夫を凝
らしていきたい」と話していた。
 尾道を丸ごと美術館としてとらえ若手作家や学
生達が暮らしのなかで何を考え、どう表現しよう
としているか、その発表の場となっている。

 一方、2階スペース帆では尾道大学美術学科油
画コース4年生、佐藤隼人さん、高山弘樹さん、
寺井茉莉子さんの3人展「ARTH!!!」=写真
下=が30日まで開かれている。
 「ARTH!!!」は遊び心を失わず美術の架け橋
になろうとの意気込みでつけられたネーミングで
人の意表をつく作品が数多く並べられている。
 虫をこよなく愛している佐藤さんはクワガタ、
トンポのほかゴキプリ、ムカデまで四角型のアク
リル樹脂に入れ、標本にしている。プルーのシー
トを敷き歯医者で沢山の歯形の石膏を貰い、ピン
クに色づけし桜をイメージさせた「御歯並」はお
花見と引っかけたユーモアあふれる作品で訪れた
客は思わず吹き出していた。花札に現代の世相を
描いた風刺の効いた作品も楽しませていた。
 高山さんは發・壬・辛のテーマで都市の断面を
切り取り描くことで街の本質を浮かび上がらせて
いる意欲的な作品をはじめイタリア、フランスに
旅した時、ふと目にした光景を写した写真を展示。
ループル美術館の非常口標識、フィレンツェの家
の外壁に馬を繋ぐ金具やイタリア、フランスの道
路工事を示す看板とユニークな写真が面白い。
 紅一点の寺井さんはキャンパスに何もイメージ
しないで白紙の状態で描いた大作「かたつむりの
とおりみち」。煙突がそびえ立つコンビナート地
帯で巨大なかたつむりが歩いている構図。街を描
、いた作品は邪魔な断面は切り落とし、色も風景
の特長をつかんだ色に単純化して街の本質をつか
みとる表現手法を取り入れている。
 佐藤さんは「みなさんを刺激する作品を並べま
した」、高山さんは「何かを感じてもらえば幸い
です」、寺井さんは「面白い展覧会になっている
と思います」とそれぞれコメントしていた。
 工房おのみち帆布アートディレクター、三上清
仁さんは「3人とも既成の概念から離れて面白い
物を企画しています。新しい形の美術でその表現
方法を実験している最中です」と3人の意気込み
に賛辞をおくっていた。

工房おのみち帆布の場所はこちらの「こ」



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