2006年4月5日(水)
愛される店に
「花月」の木曽さんから佐原、石田さんに
 尾道で向島の味引き継ぐ
  12日「あいすキャンデー屋」開店
木曽さんに習う2人と店舗外観
 昔懐かしい風味のアイスキャンデーが尾道で復
活−。創業75年の歴史を誇り全国ブランドの向島
町川尻、「花月」が惜しまれながら昨年秋、閉店。
その後を継いで十四日元町に12日、「あいすキャ
ンデー屋」がオープンする。
 「花月」店主、木曽美代子さんから店を引き継
いだのは木曽さんの親戚の佐原幸江さんと佐原さ
んの同級生、石田千秋さんの2人。
 花月にあった厨房、製造器、ショーケースなど
一式をそのまま譲り受け、名物のアイスキャンデ
ーの作り方も木曽さんから指導を受けた=写真上
=。イチゴ、レモン、ミカンなど7種類のアイス
キャンデーは砂糖、粉ミルクをさっと煮て、それ
ぞれの蜜を混ぜて1本1本形にして冷凍庫で固め
る昔ながらの手作りに佐原さん、石田さんもこだ
わり、味の伝承に腕を磨いていた。
 木曽さんは「2人とも伝統の味を引き出し、申
し分ありません。いつ開店しても大丈夫です」と
太鼓判を押していた。
 新しい店の名前は「あいすキャンデー屋」とそ
の名通り分かりやすくシンプルな名前にした=写
真下=。木曽さんが消費税引き上げにもめげず19
年間、1本60円を守り通してきたアイスキャンデ
ーの値段は家賃の支払いなどかさみ、10円だけ値
上げして70円にした。それでもまだまだ安い。
 佐原さんは「花月同様、明るく馴染みやすい雰
囲気にして子ども達が気軽に立ち寄れる店にした
い」、石田さんは「尾道の繁華街で人通りも多く、
観光客のみなさんにも伝統の味をあじわって欲し
い」と張り切っていた。
 営業時間は午前10時から午後6時まで。電話は
0848-37-0369。
 花月は昭和5年、木曽さんの義父、勝さんが開
業、夫の貞右衛門さんが引き継ぎ、貞右衛門さん
の死後、木曽さんが19年間、細腕で営業してきた。
地元はもとより全国各地から昔のアイスキャンデ
ーの味をもとめ買いに訪れ、リピーターも毎年増
えてきていた。
 昨年10月、75年の歴史と伝統ある向島店を閉じ
た。木曽さんは「後継者ができ本当に良かったで
す。みなさんに愛される店になって欲しいです」
と陰ながら応援していきたいと話していた。
 海岸通り、薬師堂通り、長江口にかけて「から
さわ」、「中屋」、「こもん」それに「あいすキ
ャンデー屋」とアイスクリーム、アイスキャンデ
ーなど夏の味覚が勢揃い、味の競演が楽しめる。

場所はこちら>

転載責任者メモ:縁のある方が製法だけでなく心までも引き継いで下さるというのは
        本当に嬉しいですね。改装は最低限(以前は弁当屋さんがあったとか)
        で済ませたのでしょうが、それでも新店舗を開くのは大変なこと。
        それで10円の値上げだけとは頭が下がります。
        実は観光客からすると以前より行きやすい場所なので、前以上に
        「行くたびに食べる」ことになりそう。


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