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2006年3月26日(日) 「自分たちと運命的な出会いを...」 喫茶「芙美子」27日に復活 因島脱サラ帰省の小森さん夫妻 |
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尾道市土堂本通り、うず潮小路近くの林芙美子 ゆかりの喫茶「芙美子」が復活し、週明け27日 に再オープンすることになった。 「女流作家林芙美子旧宅のある喫茶店」を新た に経営するのは因島の小森敏博さん、マリ子さん 夫婦。 小森さんは昨年来、亡母の看病や葬儀等で東京 から父が住む因島の実家へ何度も帰省するうちに、 閉店していた「喫茶芙美子」と出会い、脱サラを 決心したという。 小森さん夫婦はそれまで、芙美子についての特 別の知識はなかったが、開店を決意し紹介された 池田康子さんから芙美子の生涯や生き方を聴いて いるうちに「何か、自分と運命的なものを感じた」 と敏博さんは話す。 芙美子の恋人が因島重井の人であっただけでな く、敏博さんの両親も訳あって家を出、敏博さん が生まれた地が芙美子ゆかりの九州の炭鉱の町直 方。 それに自分達2人の人生も重ね合わせ「これは 自分達の運命かも分からない」と思えるようにな り、勤め先の「なんで今頃、喫茶店を」という心 配や反対を押し切ってまで、この決断を下したと いう。 27日の朝8時半の開店に合わせるよう、″突 貫″の準備が進められており、店内には池田さん が用意した芙美子が実際に着ていた和服(写真) や、池田さん秘蔵の品々が店内狭しと飾られてい た。 当分は無休で夜も8時ごろまで開いていたいと いうが、東京の人にとって日が暮れると同時に潮 が引くように人通りが減る地方の商店街は「信じ られない」という。 ともあれ、「芙美子」が春の行楽期に間に合っ て開店したことは尾道にとっても朗報。尾道の貴 重な財産の一つであるこの店が「どれだけ頑張れ るか」は、尾道という町の力量が問われているこ とにもなるといえる。 |