2006年2月10日(金) なかた美術館 県と交流、ロマノフ王朝サンクトペテルブルク 新進気鋭 佐藤アキラ写真展 優美な宮廷文化や水辺の暮らし |
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皇帝の夢のお告げで街が作られ、「幻の都」と呼 ぱれているロシア、サンクトペテルプルクとエルミ タージュ美術館の魅力を写しだした「佐藤アキラ写 真展」が潮見町、なかた美術館で開かれている。3 月5日まで。 エルミタージュ分館構想を打ち出した県はサンク トペテルプルクと親交。03年、建都300年祭に神 楽や広響が招かれたのをきっかけに美術展、音楽会、 講演会と巾広く交流を深めている。なかた美術館で の写真展もその一環で聞かれている。 ピョートル大帝の夢のお告げで建設されたサンク トペテルプルクはロシア帝国のかっての首都で口シ ア革命後、レーニンの名にちなみレニングラードに 改称、ソ連解体後、再び旧称に戻した。ゴーゴリの 「外套」やドフトエフスキーの「罪と罰」など有名 な作品がこの街で生み出された。プーチン大統領も この街の出身。 イタリア、ベネチア同様、湿地帯の上に作られ、 幾つもの運河が張り巡らされた「水の都」で市街を 流れるネヴァ川に面した宮殿河岸通りにエルミター ジュ美術館が建っている。女帝エカテリーナがフラ ンス宮廷文化に魅せられダ・ヴィンチ、ラファエロ、 レンプラントなど200点を超すヨーロッパ絵画を 買い上げ、その後の皇帝も美術品を収集し古代ギリ シア・ローマから現代のマティス、ピカソまで27 0万点の美術品が所蔵されているロシア屈指の美の 殿堂として君臨している。 写真家、佐藤アキラさん(32)がこの地を訪れたの は一昨年7月。エルミタージュ美術館付属オーケス トラに撮影を頼まれ、1カ月滞在した。 時間があれば街に出て「光と影」をテーマに風景 や市民の暮らしぶりをカメラにおさめ、なかた美術 館では約30点を展示。 一番好んで足を運んだのは市民の憩いの場所にな っている市街地のネヴァ川で、結婚式を終えた新郎 新婦を囲み楽器を演奏したり、歌を唄い披露宴を楽 しむ若者のグループ、川のほとりで躰を寄せ合い愛 を語らっているカップル、ポートで日光浴をしてい る女性とさりげない日常風景を撮っている。冬には 足下から寒さを感じるという北極の地は夏場3ヵ月 しか太陽は顔を見せず、あとはどんよりした曇り空 に覆われ、夏に思い切り太陽や水と戯れ楽しんでい る光景がしのぱれる。 ゴシック様式でロマノフ王朝の贅を凝らした優美 な冬宮、壁全体に金箔が張られ、宮殿のなかでもひ ときわ豪華で皇帝の私生活の場でもあった「黄金の 客間」、エカテリーナが権力者の孤独を慰めるため 冬宮の私室の奥に作ったギャラリーなど写真を通し てロマノフ王朝300年の歴史の一端に触れること ができる。 「宮殿を中心に貴族、庶民の街並みが広がり、貴 族の館は緑色、庶民はレンガ造りで色合いがはっき りしている。古い伝統の町並みを大切にしてヨーロ ッパ以上に補修、保全に心がけているのに感心しま した」(佐藤さん)と話していた。 佐藤さんは東京新宿生まれ、日本ヘラルド映画や 東宝などモノクロプリンターを経て、写真家を志し 立花鑑介氏に弟子入り、アシスタントを務めたあと 独立。03年、雑誌美術手帳に掲載したアメリカで のイラク反戦デモ「サンフンシスコ、戦争が始まっ た日」が高く評価された。作家、宇佐美百合子のポ ートレートなど幅広く活躍、新進写真家として期待 されている。 なかた美術館は午前9時から午後5時まで。休館 日は月曜日。入場料は大人500円。市内の小中高 大学生は無料。 |
転載責任者メモ:なかた美術館はグレードが高く、広い庭に面したレストランでの
食事や喫茶も、尾道の他の美術館にはない魅力。常設展も素晴らしい。
カレーランチ(サラダ、ケーキ、飲物付き)はケーキを数種類
盛り合わせてもらうことも出来、美味しくてお得感がある。
食事と美術館見学を合わせてすると、セットでの割引料金になるので
申告すること(どちらが先でも良い)。