2006年1月27日(金)
高田昭詮さん
 形に残す「山波とんど」
  祭会場にも展示した模型寄贈を 
とんど模型と高田さん
 古里の伝統文化を何かの形で残したい−と尾道
市民俗文化財指定の「山波神明とんど」を毎年模
型にしている農業、高田昭詮さん(76)が26日午
前、寺岡昭治・尾道市文化財保護委員長(山波民
俗行事保存会会長)とともに市教育会館を訪ねて、
先日15日盛大に開催した今年のとんど祭りの手作
り模型を教育委員会に寄贈した。
 1998年に山波小の空き教室を利用して開設
した「山波歴史民俗資料館」の展示に協力した高
田さんは、祭りの本番で使われる実物のとんど制
作に長年携わっており、「祭りでは最後に燃えて
なくなってしまうので、何とか形で残せたら−」
と、しまなみ海道の開通をきっかけに1999年
から毎年、その年の干支の飾りなどを付けた模型
を合わせて制作し、祭りの無事終了後に市教委に
届けているもので、今年で8基目になった。
 備後地域の名産だったい草、竹などを使って、
実物の約10分の1、高さ1mあまりの大きさで形
を作り、干支の犬や五穀豊穣を願っての米俵の飾
り、「景気回復」や「世界平和」、「家内安全」
などと書かれた短冊が付けられている。年末まで
に材料を揃えて、実物と同じく新年4日から制作、
祭りの前日に完成させて会場に展示した。「全体
のバランスをとるのが難しいです。十二支が揃う
までは元気に制作したい」と高田さん。平谷教育
長は「毎年、福を頂く気分です。いい年になるよ
うに頑張ります」と礼を述べていた。
 市教委では昨年と今年贈られた2基を、教育長
室と応接室に展示、その他は「おのみち歴史博物
館」に保管、今後紹介していく。  〔幾野伝〕



ニュース・メニューへ戻る