2005年6月10日(金)
藤本賞の表彰式
 「夫婦で受賞は我が誇り」
  大林宣彦監督「新人の初心甦る」
大林夫妻
 (続報)映画作家、大林宣彦監督(67)はこの
ほど、第14回日本映画批評家大賞監督賞につづい
て、第24回藤本賞・奨励賞の授賞式で表彰された。
映画《理由》が高く評価されたもので、監督は
「また、新しい明日に進めそうです」とさらなる
これからの映画道への意欲を語った。
 藤本賞は映画作りに生涯を捧げた名映画プロデ
ューサー、故藤本真澄さんを讃えて映画会社東宝
が設けている賞で、毎年映画製作者(プロデュー
サー)を中心に授与される崇高で名誉ある賞。2
年前には監督の夫人でプロデューサーの大林恭子
さん(66)が映画《なごり雪》で同賞の特別賞を
受賞しており、夫婦揃っての受賞は初めてとなっ
た。
 東京丸の内のパレスホテルで開かれた表彰式に
は、恭子夫人と愛娘の千茱萸さんのほかに、俳優
の勝野洋さん、村田雄浩さん、左時枝さんら大林
組のメンバーがお祝いに駆け付けた。
 選考委員会委員長の松岡功・東宝会長が「実験
性に満ちながら、娯楽性も豊かで、高い評価を受
けた集大成的作品《理由》を監督、顕著な活躍を
されました。登場人物107人全てノーメイクの
演出を手始めに、思いも寄らない複眼的手法で原
作のエッセンスを映像化し、出資参加を表明する
ことで、WOWOWでの放映から劇場公開へと異
色の展開を実現させた功績を讃えます」と表彰状
を授与した。
 監督は30年前、映画《HOUSE/ハウス》で、
初めて撮影所の外部の人間である自分が仕事した
時の松岡会長(当時企画部長)と交わした会話を
披露しながら、「あの時、松岡会長から自らの個
性を信じて、独自の映画史を作れと教えられまし
た。その映画魂は《理由》にも生かされたという
ことか。30年に亘る我が映画史の真集大成にして、
この受賞は再び、新人の映画の初心を私に甦らせ
ました」とあいさつ。最後に「夫婦でのダブル受
賞は、大林映画ならではのもの。これは本当に誇
らしいです。これでまた、新しい明日に進めそう
です」と語った。



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