2005年6月4日(土)
2万3137人分の署名
JR尾道駅前高層マンション建設反対
 守る会が市長の要望書
  旧市街地居住人口の2倍以上の数に
市長と住民
 JR尾道駅前の高層マンション建設計画に反対
している、地元町内会を中心とした尾道の景観を
守る会(代表=山本光雄・東御所町内会長)の山
本代表ら4人は、3日午前9時半、松谷成人議長
と共に市長室で、亀田市長に2万3137人分の署名
を集めた「高層マンション建設反対の要望書」を
提出した。
 亀田市長は、短期間の間にこれだけの驚異的と
もいえる反対署名が集まり、皆さん方の努力に感
謝すると同時に、この問題に対する市民の関心の
高さがよく分かり、行政としてもこの署名を重く
受けとめていると感謝の意を述べた。
 山本代表は、地元の町内会、地区社協を中心に
はじめたが会議所、経済同友会や女性会、仏教会
など支援の輪が拡がっていった。
 あくまで旧市街地が中心だが、女性会とか会議
所などの関係で周辺の方、企業(を通じて)など
の署名も入っているが、浦崎・百島それに新市の
向島、御調などでは地域としてのお願いはしてい
ないと説明していた。今後も署名活動(反対運動
の意も)は続けられる。
 同会としては、あの場所に高層マンションが建
設されると、駅を降りて旧市街地、あるいは駅前
から千光寺山の眺望、さらに千光寺山から眼下の
眺望などが遮断、破壊されるとして、あくまでも
市に同用地の買い取りを求めマンションの建設そ
のものを阻止してほしいと望んでいる。
 「中層の場合はどうか?」との問いに、それは
高さとかデザインが分からないと景観に与える影
響が分からないため答えられないと話していた。
 尾道市では、歴史的な景観を守る会(日暮兵士
郎会長)が15年前の平成2年5月〜6月、浄土
寺下への高層マンション建設計画に反対し、1万
0238人の署名を集め(募金も同時に実施)、6月
8日に県知事へ、同19日には県議会議長にそれ
ぞれ要望書を提出した経過がある。
 この時は、賛成反対の世論が二分され、当時の
行政は反対で動かなかったため、市を飛び越えて
県への要望となっている。
 この翌年、市長選があり、メディアの多くは
「市長選の対立軸」の一つにマンション問題に絡
めた景観論争を入れた取り上げ方をした経過があ
る。結果、現職市長が勝ったことで、その意味か
らすると反対運動はなんだったのかということに
なるが、これは市長選そのものを正しくとらえて
いなかった報道側のミスにすぎない。
 浄土寺下のマンション(計画高さ44・4m)を
阻止した後、旧市街地には2つの高層マンション
が建設された。直後のすぐ近くのマンションにつ
いては、景観を守る会が建設用地に高さを示すア
ドバルーンを上げて反対の意志表示をし、結果高
さを押さえた(28・6m)成果を上げている。
 その後の海沿いの1棟も、ウオーターフロント
ビル(グリーンヒルホテル)と同じ24・2mの高
さで、いっさいの景観論争を起こしていない。
 昭和40年代の半ば、約3万人の居住人口があ
った(全体の3割)旧市街地は、現在では当時の
3分の1近く1万人少々にまで減っており、今回
の署名数2万3137人は地域内居住民の2倍以上と
みることが出来る。

転載責任者メモ:先日「途中経過は転載しない」と書いたばかりですが、
        これは先方との条件交渉中のやりとりなどのことで、
        今回のような「確実に動いた事実」は載せていきます。


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