山陽日日新聞ロゴ 2004年12月14日(火)
絵のまち四季展
僅差で28歳グランプリ
 地元からも若い2人が奨励賞に
グランプリ「猫」 福善寺の路地の階段  講評する審査員
 第十一回絵のまち尾道四季展の審査が11日と
12日、千光寺公園かおり館で開かれ、入賞作品
が決まった。
 全国から寄せられた840点について、清原啓
一・日本芸術院会員を委員長に大歳克衛・尾道大
学教授ら5人で審査が進められ、グランプリなど
上位8点をはじめ奨励賞十点、企業奨励賞8点、
秀作40点の入賞と入選412点を選んだ。
 結果、尾道賞グランプリには主婦谷川涼子さん
(28)の油彩画「猫」(=写真=)、僅差で続く
金賞に出本良広さん(56)の油彩画「花火」が輝
いた。尾道からは河清礼さん(31)の油彩画「坂
路時光」が小林和作奨励賞、尾道商店街連合会奨
励賞に河本清順さん(27)の油彩画「時と風のい
る舗道」が入り、地元では若い2人がベテランに
混じって健闘した。秀作には尾道地方から4人が
選ぱれた。
 審査が終わった12日午後3時半から会場で、
審査員による講評が行われ、島田康寛・京都国立
近代美術館学芸課長は「力作ばかりだったが、入
選した作品と落選した作品にはやはり力の差があ
った。グランプリ作品は、(登場している)猫を
あまりに上手に扱い過ぎているという意見もあっ
たが、最後は1票差でグランプリと金賞が決まっ
た」、平松礼二・多摩美術大学教授は「全国平均
以上の高いレベルの作品が多く、大混戦となった。
良い作品が集まるのは、尾道のモチーフ、山・水・
空の美しさ、場所の良さもある」と話した。
 第一回目から審査している安井収蔵・酒田市美
術館長は「今までより尾道を強調した作品が少な
かった。尾道らしい作品を選ぶように心掛けたが、
全体的にもう一工夫ほしい感じ。花火を描くのは
難しいが、金賞の作品は雰囲気を良く出した」、
清原審査委員長は「必要以上に何回も話し合いを
繰り返した。1位と2位は、最後には投票をして、
3対2でこういう結果になった。地方公募展とし
てはかなりの点数が集まるのは、関係者の熱意だ
と思うし、今回も良い展覧会になるのでは」とま
とめた。
 グランプリに輝いた谷川さんは「絵を教わって
いる先生から勧められて初めて応募しましたが、
驚いています。20歳ぐらいから絵を始めました
が、これからも描いていきたい」と喜んでいた。
 展覧会は来年2月26日から3月13日まで、
入賞・秀作作は市立美術館、入選作は本通り商店
街などに飾られる。
 グランプリ、金賞以下の人賞はつぎのとおり。
◇銀賞=広森守 記憶−海の途−▽三次ハヤ子
木枯らしの頃◇銅賞=安藤忠雄 尾道水道一隅
▽中村光幸 夏の陽光▽日浦孝暢 無言詩◇小林
和作奨励賞=河清礼 坂路時光◇尾道市長賞=森
下修三 はと場の情景◇尾道市議会議長奨励賞=
小村春江 漁待ち◇尾道市商工会議所会頭奨励賞
=倉田喜久栄 潮薫る街◇尾道市教育委員会奨励
賞=田畑親士 家族◇尾道市立美術館奨励賞=上
村敏枝 潮風◇尾道観光協会奨励賞=藤田禅 風
薫る◇尾道市文化協会奨励賞=坂井幸子 ある日
◇尾道市商店街連合会奨励賞=河本清順 時と風
のいる舗道◇尾道飲食組合奨励賞=権随澄子 つ
なぐ◇尾道美術協会奨励賞=堀本正人 造船の街
◇尾道銀行クラプ奨励賞=細川政廣 白い船の泊
り◇コカ・コーラウエストジャパン奨励貧=竹内
昭男 千光寺参道沿いの土塀◇中国電力奨励賞=
面田信昭 回顧◇日東電工奨励賞=古澤甫 投影
◇日立造船奨励賞=小林圓史郎 早春の尾道◇広
島ガス奨励賞=眞鍋茂明 雨下の山門◇プレスエ
業奨励賞=谷川修三 陽春の階段◇丸善製薬奨励
賞=上原清美 向島水郷◇秀作(尾道地方のみ)
=帯賀一男 尾道の七夕祭り▽平藤初代 橋▽藤
本益己 釣り人▽森下武子 句。
受賞者の住所は転載から除きました



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