山陽日日新聞ロゴ 2004年8月19日(木)
雨のなか浄土寺へ奉納
 広島県無形民俗文化財 隔年の「吉和太鼓踊り」
浄土寺の階段をゆく法被姿の人々
 室町幕府を開いた足利尊氏(1305〜58年)
ゆかりの県無形民俗文化財「吉和太鼓踊り」が18
日午前、東久保町の真言宗浄土寺(小林海暢住職)
に奉納され、古刹での勇壮な歴史絵巻に、雨が降
るなか訪れていた多くの参詣者や観光客らを魅了
した。
 京都での戦いに破れた尊氏が1336年、九州
に下るとき、浄土寺観音に戦運挽回を祈願。吉和
の人々が船手として加勢し、功績を挙げ、勝ち戦
を祝ったのが始まりとされ、7百年近くの歴史が
ある。現在吉和太鼓踊保存会(小倉八郎会長)が
隔年で旧暦7月18日(現8月18日)に平穏を
祈って奉納している。
 紺色の法被に手甲、脚絆、白のたすきで揃いの
装束に身を固めた小・中学生から大人、約百人が
地元の吉和西元町、胡子神社前と市役所ロビーで
演じたあと、旗印や御船の模型を先頭に、浄土寺
下まで練り、祭りの大きな特徴と言える参道の石
段を後ろ向きに登りながら、「イヤーハイ」と勇
ましい掛け声に太鼓や鉦を打ち鳴らしながら披露
した(=写真)。
 この後、国宝の本堂と多宝塔前で奉納し、平癒
を祈った。



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